新型コロナ流行中の「孤独死」状況。「家族」や「友人」による発見が増える
新型コロナ流行中の「孤独死」
一般社団法人 日本少額短期保険協会が、新型コロナウイルス感染症の流行期における「孤独死の現状レポート」を公開しています。
このレポートでは、2020年1月から2022年3月における孤独死のデータを対象としています。
なお、ここでは「孤独死」を「賃貸住宅に住んでいて、死亡したことが死後に判明した一人暮らしの人」としています。
持ち家の人などは含まれていませんので、注意してください。
孤独死の8割は「男性」
調査の対象となった期間の孤独死者は「1,538人」でした。
性別は「男性」が8割以上を占めています。
死亡時の平均年齢は「62.7歳」で、「65歳未満」が半分近くを占めています。
孤独死をした人は、平均寿命よりもかなり若く亡くなっていることが分かります。
孤独死の8割は「病死」
孤独死をした原因で多いのは「病死」でした。
全体の8割近くを占めています。
過去7年間の累積データと比べても、病死の割合が高く、新型コロナによる影響が感じられます。
「病死」以外では、「自殺」と「不明」が、それぞれ1割程度です。
「家族」や「友人」による発見が増えた
孤独死を見つけた「第1発見者」で多いのは「家族」です。
特に、新型コロナの流行下では、「家族」の割合が10%も高く、「友人」も増えています。
新型コロナの流行を背景に、親しい人同士が、いつもよりもお互いの体調などに気を使っているのでしょう。
逆に、アパートの管理人などの「管理」は少なくなっています。
親しい人が増えた分だけ、職務による第三者が減ったのでしょう。
「3日以内」に見つかる人は「4割」
孤独死をした人が発見されるまでの日数で一番多いのは「3日以内」でした。
これが、全体の4割を占めています。
新型コロナの流行下では、見つかるまでの平均日数は「15日」でした。
これは過去7年間の平均日数「18日」よりも、少しだけ早くなっています。
やはり、新型コロナによって、親しい人との連絡が密接になったことが影響しているのでしょう。
また、新型コロナの自宅療養者に対して保健所等が連絡するシステムがあったことも見落とせません。
新型コロナの自宅療養者という新しい存在が、「孤独死」の状況にも影響を与えていたのです。