孤独死が怖いのは「長期的に遺体が放置されてしまうこと」
65歳以上へのアンケート調査
高齢者向けの部屋探しを専門とする「R65不動産」が、「孤独死に関する意識調査」の結果を公開しています。
この調査は、国交省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定したことを受けて行なわれました。
このガイドラインは、その物件で起こった死亡について告知する範囲などを定めたものです。
2021年8月から9月にかけて行なわれたインターネット調査には、65歳以上の1,284人が回答しています。
「遺体が放置されてしまうこと」が怖い
最初に、孤独死の何が心配なのかを聞いています。
「長期的に遺体が放置されてしまうこと」が一番多く、4割以上でした。
それに対して、「生きている間に見つけてもらえないこと」は、2割に留まっています。
孤独死において不安なことは、生前に発見してもらえるかということよりも、死後に遺体が長期間放置されてしまうことなのです。
「やむを得ない」「覚悟を決めている」人が多い
次に、孤独死に対する受け止め方について、反応を聞いています。
まず、「未然に防ぐことが難しいため、やむを得ない」に、「そう思う」と答えた人は6割でした。
また、「たとえ何が起きても、既に覚悟を決めている」に対して「そう思う」という人も5割を超えます。
そして、「特に考えたことはない」という人は、3割ほどに留まっています。
死ぬときは「自宅」で死にたい
最後に「理想の終の住処」を聞いています。
つまり、「どこで亡くなりたいか」という場所を聞いています。
一番多かったのは「自宅」で、5割を超えています。
次に多いのが「病院」で、2割強です。
「事故物件」に影響を与える新しいガイドライン
この調査のきっかけとなった「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」は、不動産取引の際に、その物件で死亡者があった場合の対応を定めたものです。
主な内容は、次の4つです。
- 過去に生じた人の死について、告知書等に記載すれば、告知の義務を果たしたものとする
- 自然死や事故による死は、原則として告げなくてもよい
- 事案発生から概ね3年が経過した後は、原則として告げなくてもよい
- 買主や借主から事案の有無について問われた場合は、正確に告げる必要がある
このガイドラインが策定されたことによって、特殊清掃などが行なわれない場合は、自然死や事故死に告知義務はないということがはっきりしました。
これによって、事故物件になることを恐れて、高齢の入居者が嫌われる状態が、少しでも緩和されることが期待されます。