すべての県から人が集まる「東京圏」。全国から人が来る理由
人の流入が続く「東京圏」
日本の「三大都市圏」は、「東京圏」「名古屋圏」「大阪圏」です。
このうち、「東京圏」だけが、他県からの人口の流入が続いています。
2022年に「東京圏」に転入した人は「50万7,341人」、転出した人は「40万7,822人」でした。
差し引きで「9万9,519人」も、人口が増えたことになります。
新型コロナウイルス感染症の影響があった、2020年以降は多少減りましたが、それでも年に10万人近くも人口が増えています。
この記事では、総務省の資料をもとにして、「東京圏」に人が集まる理由を紹介します。
「東京圏」はすべての県に人が集まる
「東京圏」では、「東京都」だけが人が集まるように思われがちですが、そうではありません。
東京圏を構成する、「東京都」「埼玉県」「千葉県」「神奈川県」のすべての県に、人が流入しています。
1つの県に集中するのではなく、周囲の県にも人が集まるのが、「東京圏」の強みなのです。
「女性」が集まる「東京圏」
「東京圏」の最大の特徴は、女性の転入が多いことです。
2022年に流入した人口のうち、「男性」は「4万3,172人」、「女性」は「5万6,347人」でした。
女性の方が1万人以上も多いのです。
過去の実績を見ても、ずっと女性の流入が多い状態が続いています。
他県の女性にとって、「東京圏」は引っ越すだけの魅力がある地域なのです。
若い人が集まる「東京圏」
「東京圏」に転入した人の年齢で一番多いのは「20代前半」です。
それをピークにして、「10代後半」から「20代後半」までの流入が多くなっています。
「10代後半」は大学への進学、「20代前半」は就職、「20代後半」は転勤と転職が中心でしょう。
つまり、進学や就職という進路を選ぶ際に、「東京圏」への転入を選ぶ人が多いのです。
他の都市から人が集まる「東京圏」
最後に、「東京圏」に転入してくるのは、どの県の人が多いのかを見てみましょう。
2022年に一番多いのは「愛知県」で、次が「大阪府」でした。
他にも「宮城県」「新潟県」「広島県」「福岡県」など、その地域の中心である都市がある県から、人を集めています。
地方都市在住の若い人は、進学や就職の選択肢を「東京圏」に求めているのです。
地方自治体が「東京圏」への人口の流出を防ぐためには、地元に「若い」「女性」の「進路」を確保することが鍵となるでしょう。