2月から電気とガスに補助金が出るというけど、本当に安くなる?
2月検針分から始まる補助金制度
2023年の2月に検針が行なわれる分から、電気料金と都市ガスの料金に補助金が出ます。
この補助金は、資源エネルギー庁が行なう「電気・ガス料金激変緩和対策」というもので、電気とガスの料金が安くなります。
この補助金の利用方法と、どれぐらい安くなるのかを紹介しましょう。
手続きなしで値引きが始まる
「電気・ガス料金激変緩和対策」の特徴は、次の3つです。
- 指定された業者が対象
- 申込みは不要で、自動的に値引きされる
- 値引きされる金額は、電気やガスの使用量で決まる
この補助金は、政府が電気やガスの業者に直接支払います。
そのため、業者が申請をして指定を受ける必要があります。
大手の電力会社やガス会社は指定を受けていますが、小規模な業者については、こちらで検索して確認してください。
なお、ユーザーは何もする必要はありません。
2月以降に検針された分からは、あらかじめ補助金の分だけ値引きされた料金が請求されます。
そして、補助金の金額は、使用量で決まります。
その金額は、家庭用の電気料金で「7円/kWh」、都市ガス料金で「30円/立方m」です。
つまり、使用量によって、値引きされる金額が変わります。
電気は、標準で「1,820円」安くなる
では、この補助金で、どれぐらい料金が安くなるのか、見てみましょう。
電気料金の計算方法は、電力会社やプランによって大きく異なります。
ここでは、東京電力の「従量電灯B」というプランで計算します。
「従量電灯B」のモデル料金では、1カ月の使用量を「260kWh」としています。
つまり、補助金の額は「7円×260kWh」ですから、「1,820円」安くなります。
モデル料金では、1月に検針された分の電気料金は「9,126円」でした。
これが、2月検針分では「7,306円」になります。
だいたい、2割引になると思えば良いでしょう。
都市ガスは、標準で「900円」安くなる
次に都市ガスについて、見てみましょう。
東京ガスの基本契約のモデル料金では、1カ月の使用量を「30立方m」としています。
つまり、補助金の額は「30円×30立方m」ですから、「900円」安くなります。
モデル料金では、2月に検針された分の電気料金は「7,324円」でした。
これが、「6,424円」になります。
だいたい、1割ちょっとの値引きになります。
補助金を上回る値上げの可能性がある
今回の補助金によって、標準家庭のモデル料金では、電気とガスを合わせると2,000円以上も安くなります。
しかし、良いことばかりではありません。
とりあえず、2つ注意事項があります。
- 補助金は期間限定で、10月検針分で終了する
- 補助金の金額を上回る「値上げ」の可能性がある
まず、「電気・ガス料金激変緩和対策」は期間限定です。
2023年2月検針分から始まって、10月検針分で終わってしまいます。
しかも、10月検針分は、値引き額が半分になってしまいます。
また、多くの電力会社は、電気料金の値上げを申請しています。
これが通ると、6月頃には、大きな値上げとなるでしょう。
すでに、申請が不要な部門の料金については、大きく値上がりしています。
こちらで契約していると、補助金で値引きが行なわれたことに気が付かない場合もあるでしょう。
このように、補助金は万能ではありません。
しかし、少しだけでも電気とガスが安くなってくれるのはありがたいことです。
とりあえず、2月に検針された「請求書」や「通知」が届いたら、「電気・ガス料金激変緩和対策」で割引されていることを確認してください。