個人が連帯保証人にならなくても、起業資金が借りられる新しい制度

[2023/2/23 00:00]

連帯保証人にならなくても「起業」できる

東京都は、新しい事業を始める「起業」において、創業者が連帯保証人にならなくても資金を借りられる新しい制度を開始します。

2月20日から事前相談の受付を始め、国の制度変更を待って、実施されます。

重荷だった「経営者保証」

これまでは、新しい事業を始める「起業」において、会社の資金を借りる時は、個人が連帯保証人になることが求められてきました。

これを「経営者保証」と言います。

つまり、起業に失敗して、会社が借金を返せなくなると、経営者個人が返済を求められて、自宅などを差し押さえられてしまいます。

しかし、これでは起業を志す人が少なくなります。

また、破綻してしまった場合に資金的な余力が無くなり、事業を再生することが難しくなります。

そのため、「経営者保証」がなくても資金を貸し付ける新しい保証制度が準備が進んでいます。

現時点では3月中に開始される見込みです。

ここでは、東京都の例を紹介しますが、他県でも同じような制度が準備されるでしょう。

最大で「3,500万円」まで借りられる

東京都の新しい融資制度には、3つの特徴があります。

  • 一定の要件を満たした場合、借入にかかる経営者保証が不要となる
  • 一定の要件を満たした場合、元本返済を3年まで据え置くことができる
  • 「運転資金」の融資期間が7年から、「設備投資」と同じ10年に伸びる

対象者や貸付内容は次の通りです。

  • 今後2カ月以内に創業予定、または創業から5年未満の会社
  • 貸付上限は「3,500万円」
  • 融資利率は「1.5%以内~2.5%以内」
  • 創業予定者と創業直後の企業は、資金総額の10分の1以上の自己資金が必要
  • 信用保証料は0.2%上乗せの上、半額を都が補助
  • 創業3年目と5年目の決算時にガバナンスのチェックあり

返済する必要が無くなるわけではない

今回の新しい制度によって、起業のための資金が借りやすくなります。

ただし、個人が連帯保証人にならなくても、借金は借金です。

返済の必要が無くなったわけではありません。

事業を継続しながら、それなりの利率がかかった金額を、長期間に渡って返済しなければなりません。

借金をしないですめば、その方が良いのです。

借りる場合も、どうしても必要な分だけ借りて、早めに返済を終えることを考えてください。

[シニアガイド編集部]