起業した会社のうち「経営状況が順調」なのは6割。うまく行かなくなる理由は「資金繰り」
「起業」した千人へのアンケート
税理士法人を運営するベンチャーサポートグループが、「起業と経営の実態」の調査結果を公開しています。
2022年8月に行なわれたインターネット調査には、起業を経験したことのある男女1,008人が回答しています。
順調なのは「6割」
最初に、起業した会社の状況を聞いています。
「経営状況が順調である」と回答した人は、全体の約6割でした。
一方で、すでに廃業してしまった人も1割以上います。
軌道に乗るまで「半年から1年」
会社を始めてから、経営が軌道に乗るまでの期間を聞いています。
一番多い回答は「半年から1年程度」でした。
そして、回答者の7割は、起業から1年以内に軌道に乗ったとしています。
もう少し長く、「2~4年程度」という人も2割いました。
つまり、「5年以上」粘っても、成功する人は多くありません。
設立から5年経っても、会社が軌道に乗っていなかったら、見切りをつけることを考えるべきでしょう。
うまく行った理由は「起業のタイミング」
経営が順調な人に、その理由を聞いています。
一番多かった回答は、「起業のタイミング」でした。
そして、「経営理念・経営方針」「資金繰り」と続きます。
うまく行かなかった理由は「資金繰り」
逆に「経営が順調ではなかった」人に、その理由を聞いています。
一番多かった回答は「資金繰り」でした。
そして、「時代・時勢を見据えた先見性」「採用・人材育成」が続きます。
失敗の原因を理解することが大切
また、経営不振の原因や、それにまつわる後悔について具体的に聞いたところ、次のようなコメントが得られました。
- 集客重視で採算は度外視が前提だったが、少しは儲かるようにすれば良かった(50代男性)
- ビジネスのノウハウを知らずアイディア先行型だった(20代女性)
- 人材を確保できなくなり、一人ひとりの負担が増えた。もう少し早く人材集めをすれば良かった(40代男性)
- コンサルタントなど経営のプロの意見をあまり聞かなかった。ワンマンになってしまったところも少しあった(30代男性)
このように、失敗の原因をきちんと認識することは大切です。
そうでなければ、次の機会にも、同じ失敗を繰り返してしまうでしょう。
もう一度挑戦するなら「資金繰り」が大切
最後に、「今後また起業することになった際は、何を重視するか」を聞いています。
一番多いのは、これも「資金繰り」でした。
起業をするにあたって、お金の問題がいかに重要であるかが分かります。
そして、「時代・時勢を見据えた先見性」と「起業のタイミング」が続きます。
せっかく起業するのですから、これまでになかった新しさが必要ですし、事業が必要とされている、ちょうど良いタイミングで提供することが大事なのです。