起業した会社のうち「経営状況が順調」なのは6割。うまく行かなくなる理由は「資金繰り」

[2022/12/22 00:00]

「起業」した千人へのアンケート

税理士法人を運営するベンチャーサポートグループが、「起業と経営の実態」の調査結果を公開しています。

2022年8月に行なわれたインターネット調査には、起業を経験したことのある男女1,008人が回答しています。

順調なのは「6割」

最初に、起業した会社の状況を聞いています。

「経営状況が順調である」と回答した人は、全体の約6割でした。

一方で、すでに廃業してしまった人も1割以上います。

出典:ベンチャーサポートグループ

軌道に乗るまで「半年から1年」

会社を始めてから、経営が軌道に乗るまでの期間を聞いています。

一番多い回答は「半年から1年程度」でした。

そして、回答者の7割は、起業から1年以内に軌道に乗ったとしています。

もう少し長く、「2~4年程度」という人も2割いました。

つまり、「5年以上」粘っても、成功する人は多くありません。

設立から5年経っても、会社が軌道に乗っていなかったら、見切りをつけることを考えるべきでしょう。

うまく行った理由は「起業のタイミング」

経営が順調な人に、その理由を聞いています。

一番多かった回答は、「起業のタイミング」でした。

そして、「経営理念・経営方針」「資金繰り」と続きます。

出典:ベンチャーサポートグループ

うまく行かなかった理由は「資金繰り」

逆に「経営が順調ではなかった」人に、その理由を聞いています。

一番多かった回答は「資金繰り」でした。

そして、「時代・時勢を見据えた先見性」「採用・人材育成」が続きます。

出典:ベンチャーサポートグループ

失敗の原因を理解することが大切

また、経営不振の原因や、それにまつわる後悔について具体的に聞いたところ、次のようなコメントが得られました。

  • 集客重視で採算は度外視が前提だったが、少しは儲かるようにすれば良かった(50代男性)
  • ビジネスのノウハウを知らずアイディア先行型だった(20代女性)
  • 人材を確保できなくなり、一人ひとりの負担が増えた。もう少し早く人材集めをすれば良かった(40代男性)
  • コンサルタントなど経営のプロの意見をあまり聞かなかった。ワンマンになってしまったところも少しあった(30代男性)

このように、失敗の原因をきちんと認識することは大切です。

そうでなければ、次の機会にも、同じ失敗を繰り返してしまうでしょう。

もう一度挑戦するなら「資金繰り」が大切

最後に、「今後また起業することになった際は、何を重視するか」を聞いています。

一番多いのは、これも「資金繰り」でした。

起業をするにあたって、お金の問題がいかに重要であるかが分かります。

そして、「時代・時勢を見据えた先見性」と「起業のタイミング」が続きます。

せっかく起業するのですから、これまでになかった新しさが必要ですし、事業が必要とされている、ちょうど良いタイミングで提供することが大事なのです。

出典:ベンチャーサポートグループ
[シニアガイド編集部]