4割近い人が、ここ1~2年で「宗教への不信感が高まった」と回答
宗教への意識を探るアンケート
浄土真宗本願寺派の寺院「築地本願寺」が「宗教や仏教に関する意識調査」の結果を公開しています。
2023年2月に行なわれたインターネット調査には、18歳~70代までの男女1,600人が回答しています。
この調査は、「いま、社会の中で仏教やお寺はどう捉えられているのか」を知るためのものですが、宗教や仏教に対して否定的かつ無関心な現状が強く表れています。
「宗教への不信感が高まった」という人が多い
「ここ1~2年で、あなたの宗教観に変化はあったか」という質問をしています。
これに対して「宗教への不信感が高まった」という人が、4割近くを占めました。
「宗教」に対する否定的な印象が強い
また、「宗教から連想する言葉やイメージ」を聞いています。
一番多い回答は「心の拠り所/精神的な支え」で、次は「信仰/信仰心/信者」でした。
しかし、ここからは「マインドコントロール/洗脳」「怪しい/胡散臭い」「怖い/恐ろしい」など否定的な印象の回答が並びます。
「宗教」にも「仏教」にも無関心
さらに、「宗教」と「仏教」についてのそれぞれの印象を聞いています。
「宗教」よりも「仏教」のほうが「身近」には感じていることが分かりました。
しかし、仏教については、全体の半数近くが「あてはまるものはない」と回答しています。
つまり、ネガティブでもポジティブでもなく、それ以前に「無関心」というべきでしょう。
半分以上の人は「お寺に行く目的がない」
最後に「お寺」について尋ねています。
「お寺に行く目的がない」という設問に、5割以上の人が「当てはまる」と答えています。
一連の報道や新型コロナも宗教離れに影響
今回の調査の回答からは、宗教や仏教に対して、自分とは縁遠いものであるという意識が強く感じられます。
現状では、宗教に対しての報道は、多額の寄付や、詐欺というべき霊感商法が中心です。
そのため、宗教全般に対して、「怪しいもの」「近づいてはいけないもの」という印象を持つ人が増えているのでしょう。
また、新型コロナウイルス感染症をきっかけにして、宗教行事を伴わない「直葬(じきそう)」が増えていることも影響しているでしょう。
築地本願寺では、今回の調査結果を受けて、「『人と人がふれあう場』というお寺本来の機能をもう一度見直し、一人でも多くの方々にご縁を結んでもらいたいと考えております。皆さまのご来院を心よりお待ちしております」とコメントしています。