都道府県別に見た少子高齢化。高齢者が多い「秋田」、子供が多い「沖縄」
「少子化」と「高齢化」を県別に見る
日本は少子高齢化が進んでいますが、進行の状態は都道府県によって異なります。
この記事では総務省のデータをもとにして「少子化」が進んでいる県と、「高齢化」が進んでいる県を紹介します。
“子供”が1割もいない「秋田県」
少子化の進行状況を見るために、ここでは「15歳未満」の子供が人口に占める割合を見てみましょう。
2022年時点で、全国の「15歳未満」の子供は、全人口の「11.6%」です。
47ある都道府県のうち、子供の割合がもっとも低いのは「秋田県」で9.3%しかありません。
秋田県は全国で唯一、子供の割合が10%を切っています。
子供の割合が低いということは、将来的に人口が増える可能性が低いということです。
逆に、子供の割合がもっとも高いのは「沖縄県」で16.3%もあります。
また、子供の割合が15%を上回るのは「沖縄県」だけです。
他県に比べても、図抜けて子供が多いなのです。
高齢者の割合が低い「東京都」と「沖縄県」
次に、「65歳以上」の人口をもとにして、高齢化の進行状況を見てみましょう。
2022年時点で、全国の「65歳以上」の高齢者は、全人口の「29.0%」です。
47ある都道府県のうち、高齢者の割合がもっとも高いのは「秋田県」で38.6%を占めています。
この「38.6%」という数字は、実はものすごい数字です。
例えば、国立社会保障・人口問題研究所による、2065年の65歳以上の高齢者の割合の予測が「38.4%」です。
つまり、「秋田県」は、40年先の日本の状況を上回るほど、「高齢化」が進んでいるのです。
また、「15歳未満」の子供は9.3%ですから、「秋田県」では、高齢者が子供の4倍いることになります。
逆に、高齢者の割合がもっとも低いのは「東京都」で、22.8%でした。
東京都は20代前後の若い人が他県から流入するので、高齢者の割合が低いのです。
また、「沖縄県」も高齢者の割合が23.5%と低く、東京都に迫っています。
こちらは、子供を産む人が多く、高齢者の割合が上がっていないのです。
少子高齢化が進む「秋田県」、踏みとどまっている「沖縄県」
2つのデータをまとめると、少子高齢化がもっとも進んだ県は「秋田県」でした。
「秋田県」は、人口が最盛期の135万人から、現在は93万人まで減っており、危機があらわになっている状況です。
日本の将来を考える上でも、重要な存在と言えるでしょう。
逆に、もっとも遅れている県は「沖縄県」になります。
こちらは、2021年まで、出生数が死者を上回る「自然増加」が続くという理想的な状況でした。
ただし、2022年は、それが止まってしまったので、これからの対策が注目されます。
では、沖縄と同じように「65歳以上」の高齢者の割合が低い「東京都」はどうでしょうか。
東京都の「高齢化」が進んでいないように見えるのは、流入する現役世代が多いためで、東京都に住み続けている人の実像ではありません。
「東京都」は、他の県とそのままでは比較できない、特殊な存在なのです。
東京都に変化が起きるのは、東京に流入する人の流れが止まるような状況が起きてからでしょう。