東京都のデータで見る「新型コロナの現状」。流行期の「夏」に向けて警戒が必要

[2023/5/9 00:00]

厳密なデータは集計されなくなる

新型コロナウイルス感染症の法律上の取り扱いが、5月8日から変わりました。

これに伴い、新型コロナに関する情報も、これまでのような密度では公開されなくなります。

例えば、これまでは新しく発生した検査の陽性者は、全員を把握していました。

しかし、今後は、特定の病院を定点として見張る形になります。

つまり、今後は新型コロナの新しい患者がどれぐらい発生したのかという具体的な数字は出てきません。

では、今の時点で、新型コロナは、どのような状況にあるのでしょうか。

5月8日に公開された、東京都の資料をもとに紹介します。

前の週から20%も患者が増えた

東京都の新規の陽性者数は「1,621人」で、前の週よりも「19.6%」増えています。

以前の流行期に比べれば、新規の陽性者は少ないのですが、まったく勢いが無くなったわけではありません。

まだまだ、油断できない状態であることが分かります。

出典:東京都

入院患者も増えている

入院患者は「767人」で、前の週よりも126人増えています。

ただし、酸素投与が必要な患者は「82人」で、3人減っています。

出典:東京都

現在は「注意」の段階

東京都では、これらのデータをもとにして、「感染状況」と「医療提供体制」を4段階で評価しています。

現在の評価は、どちらも4段階の下から2番目で、「注意が必要である」と判断されています。

出典:東京都

流行の中心は「XBB系統」になった

ウイルスの状況を見てみましょう。

現在の流行は、ほぼすべてが「オミクロン株」です。

その中で、4月以降は「XBB系統」と呼ばれる亜系統が中心となっています。

XBB系統は、それ以前のオミクロン株よりも感染が広がりやすい上に、ワクチンなどの免疫から逃れる能力が高いとされています。

新型コロナウイルスは、新しい亜系統の登場が続いており、ワクチンの進化が続いている状況です。

出典:東京都

「夏」が来たら警戒が必要

現在の新型コロナの状況を一言で言えば、「落ち着いてはいるが、目が離せない状況」と言えるでしょう。

では、いつ頃から流行を意識して警戒すれば良いのでしょうか。

ここ数年の状況を見ると、「夏」と「冬」に大きな流行が起きていることが分かります。

「夏」と「冬」は人の移動が増える時期であり、それが流行を招いているのでしょう。

厚労省の資料でも、「夏や冬に一定の感染拡大が生じることを想定して準備する」としています。

今年も、7月に入ったら大きな流行が始まる可能性が高いと考えて、警戒することをおすすめします。

[シニアガイド編集部]