相続税対策として有効な「生前贈与」、始めるなら年内がチャンス

[2023/5/23 00:00]

「生前贈与」についてのアンケート

ベンチャーサポート相続税理士法人が「生前贈与」についてのアンケート結果を公開しています。

2023年2月に行なわれたインターネット調査には、60代以上の親を持つ男女1,017人が回答しています。

「生前贈与」に詳しい人は少ない

「生前贈与」とは、親が生きている間に、その財産を誰かに無償で与えることを言います。

しかし、「生前贈与の内容や仕組みを知っている」という人は、36%に留まりました。

多くの人は「生前贈与」という言葉だけは知っていても、その内容は知りません。

出典:ベンチャーサポート相続税理士法人

メリットは「相続税の節税」

「生前贈与の内容や仕組みを知っている」と答えた人を対象に、「生前贈与」のメリットとデメリットを聞いています。

「生前贈与」のメリットとしては、「相続税の節税」「生前に財産を承継できる」が挙がりました。

一方、「生前贈与」のデメリットとしては、「手続きの煩雑さ」「一定の金額を超えると贈与税がかかる」が挙がりました。

出典:ベンチャーサポート相続税理士法人

「暦年贈与」を始めるなら年内に

「生前贈与」で良く行なわれるのが「暦年贈与」という方法です。

これは、年に1度、110万円以内で相手の銀行口座などに贈与を行なうものです。

こうすると、贈与税の基礎控除が110万円なので、贈与税がかかりません。

これを、毎年行なうことで、少しずつ財産を子や孫に譲ることができます。

ただし、相続開始前3年以内の生前贈与は、相続税の課税対象になります。

つまり、贈与してから3年以内に死んでしまった場合は、相続税の対象に入ります。

これを「暦年贈与の持戻し」と言います。

さらに、2024年1月1日以降の贈与からは、この持ち戻し期間が3年から7年に延長されます。

つまり、暦年贈与を始めるのであれば、持戻し期間が短い2023年のうちに最初の贈与を行なうことが有利になります。

相続税対策として、生前贈与を考えている場合は、早めに専門家に相談して、早めに行動を開始してください。

[シニアガイド編集部]