金融資産が1億円以上の「富裕層」は149万世帯。増加傾向が続く
「富裕層」はどれぐらいお金持ちか
市場調査などのレポートでは、「富裕層(ふゆうそう)」という言葉が良く出てきます。
「富裕層」は「お金持ち」を意味する言葉ですが、具体的には、どれぐらいお金を持っていれば「富裕層」と言えるのでしょうか。
この記事では、野村総研のレポートをもとにして「富裕層」の実態を紹介します。
金融資産「1億円」が1つの目安
野村総研では、「純金融資産保有額」というものさしで富裕層を定義しています。
「純金融資産保有額」とは、預貯金、株式、債権などの金融資産の合計額から、負債を差し引いた金額です。
つまり、簡単に現金化できる財産と思えば良いでしょう。
それをもとにして、次の5段階の階層を定義しています。
後ろの金額が、基準となる「純金融資産保有額」です。
- 超富裕層 5億円以上
- 富裕層 1億円以上5億円未満
- 準富裕層 5千万円以上1億円未満
- アッパーマス層 3千万円以上5千万円未満
- マス層 3千万円未満
つまり、すぐにお金にできる財産が「1億円」あればお金持ちと思えば良いでしょう。
とりあえず、「富裕層」という言葉を見たら、「必要であれば1億円を用意できる人」と考えておきましょう。
「富裕層」は2%を超える
「富裕層」は、どれぐらいいるのでしょうか。
2021年の推計では「富裕層」と「超富裕層」の合計を「149万世帯」としています。
これは、全世帯の2.7%にあたります。
50世帯に一つ以上ですから、意外と多いと言って良いでしょう。
それぞれの階層の世帯数は次のようになっています。
- 超富裕層 9.0万世帯
- 富裕層 139.5万世帯
- 準富裕層 325.4万世帯
- アッパーマス層 726.3万世帯
- マス層 4,213.2万世帯
富裕層は増え続けている
「富裕層」は、2008年のリーマンショックでいったん減りました。
しかし、2011年以降は増え続けています。
世間には、いろいろなお金持ちがいる
富裕層について、ここまで見てきたことをまとめてみましょう。
- 「富裕層」とは、金融資産が1億円以上ある世帯を指す
- 世帯数は149万世帯で、全体の2%強を占める
- 2011年以降は増え続けている
言うまでもありませんが、野村総研の富裕層の定義は万能ではありません。
例えば、評価基準に不動産が含まれていないので、財産の多くを不動産が占める地主などは入りにくくなっています。
また、地位や利権、ブランドなど、お金を生み出すための仕組みを持つ人も含まれていません。
世の中には、いろいろな種類のお金持ちが潜んでいることは覚えておいて良いでしょう。