「ATMの操作でお金が返ってくる」は、すべて詐欺です。ネットバンキングのパスワードも教えてはいけません。

[2023/8/15 00:00]

「役所からお金が返ってくる」とだます詐欺が増えている

国民生活センターが、「還付金詐欺」の相談が増えていると警鐘を鳴らしています。

「還付金詐欺」とは、「役所からお金が返ってくるとだまして、自分の口座からお金を振り込ませる詐欺」です。

国民生活センターへの相談件数は、2022年度には4,849件もありました。

出典:国民生活センター

「還付金詐欺」の手順

「還付金詐欺」は次のような手順で行なわれます。


    1)役所などを名乗った電話が来ます
    2)税金や保険料の還付があると称して、お金が返ってくる話をします
    3)指示に従って、銀行の端末(ATM)を操作すると、自分の口座からお金が振り込まれてしまいます

実際の例を見てみましょう。


 年金事務所の職員と名乗り「70歳から保険料の還付金を受け取れる。以前に手続きのためのハガキを送ったが見たか」と電話があった。

 受け取っていないと伝えたところ、「今からでも手続きできる」と言われ、口座のある金融機関を教えた。

 翌日、その金融機関を名乗る者から電話があり、ATMに行くよう指示され、還付金を受け取るための手続きをしたつもりだったが、後になって20万円振り込んでしまったことに気づいた。どうしたらよいか。(70代女性)

インターネットバンキングを悪用する例も

さらに、最近はATMの監視が厳しくなったこともあって、インターネットバンキングを悪用する例もあります。


 市役所の保険担当課の職員を名乗り、「健康保険料の返金が約4万円ある。書類を送ったが、申請がないので連絡した」という電話があった。

 「インターネットバンキングを利用すると、送金がお得になる。口座番号と暗証番号を教えてもらえれば、こちらで手続きをする」というので口座番号と暗証番号を伝えてしまった。(70代女性)

「お金が返ってくる」という電話は全部「詐欺」

では、どうすれば「還付金詐欺」を防げるのでしょうか。

まず、『役所等から「お金が返ってくる」という電話がかかってきたら、それは還付金詐欺』と思ってください。

お役所は、そんなことをいちいち電話で教えてくれるほど、ヒマではありません。

もちろん、そのような電話に対して、個人情報や銀行口座などの情報を伝えてはいけません。

特にインターネットバンキングのIDやパスワードを渡すということは、その口座に置いてある現金をすべて渡すのと同じことです。絶対に他人に伝えていけません。

そして、電話などに対して不安に思ったら、家族や警察、消費者センターなどに相談しましょう。

  • 警察相談専用電話「#9110」
  • 消費者ホットライン「188」

お金を振り込んでから後悔しても間に合いません。

電話を切ったらすぐ、ATMなどに向かう前に、相談することをおすすめします。

[シニアガイド編集部]