2022年に運転免許証を返納した人は44万人。一番多いのは「70代前半」
2022年は44万人が返納
2022年に、自動車の運転免許証を返納した人は「44万8,476人」でした。
新型コロナウイルス感染症の影響もあって、ここ数年は減少していますが、それでも10年前に比べると3倍以上に増えています。
この記事では、運転免許証を返納した人の内訳と、返納に影響を与えている高齢者の運転免許証の更新について紹介します。
返納した人の95%は高齢者
免許証を返納した人の95.6%は、65歳以上の高齢者です。
年齢別で一番多いのは「70歳~75歳」で、全体の3割近くを占めています。
「70歳」をきっかけとして、それ以上の年齢になると返納する人が多いことが分かります。
70歳以上は「高齢者講習」が必要
70歳以上の人が運転免許証を返納するきっかけとなっているのが「高齢者講習」です。
「高齢者講習」は、70歳以上の人が運転免許証を更新する際に義務付けられている制度です。
時間は2時間で、「講義」「適性検査」「実車指導」の3つが行なわれます。
この「高齢者講習」は、通常の更新手続きとは別に行なう必要があるので、それなりに面倒くさい義務なのです。
75歳以上には高いハードル
75歳以上の人が運転免許証を更新しようとすると、さらに面倒な手続きが必要になります。
普通の人は、最初に「新認知機能検査」を受けます。
これで「認知症のおそれなし」であれば、70歳以上と同じ「高齢者講習」に回ります。
しかし、「認知症のおそれあり」になると、医師の診断が必要になります。
そして医師から「認知症」と診断されると、運転免許証が取り消される可能性もあります。
さらに、過去3年以内に違反歴があると、「新認知機能検査」ではなく、「運転技能検査」を受けます。
「運転技能検査」では、実際に自動車を運転して、「指示速度による走行」や「段差の乗り上げ」などの課題を行ないます。
そして、この検査で100点満点で70点以上が取れないと、運転免許証の更新ができません。
このように、高齢者の運転免許証の更新は、以前よりずっと難しくなっています。
高齢の家族が運転を続けることに不安がある場合は、「70歳以上」と「75歳以上」で課せられる課題について説明してください。
運転を続けることを強制的に止めることはできませんが、運転の必要性を考える良いきっかけになるでしょう。