民営化以前の郵便貯金の払い戻し基準が来年1月から緩和。忘れていた「定額貯金」などの払い戻しのチャンス

[2023/9/13 00:00]

満期から約20年で貯金が消えてしまう

民営化以前の郵便貯金の払い戻しの基準が、来年1月から緩められることになりました。

民営化以前の郵便貯金は、独立行政法人 郵政管理・支援機構が管理し、払い戻しをおこなっています。

しかし、この郵便貯金のうち、「定額」「定期」「積立」などの“定期性貯金”は、満期後20年2カ月を経過すると、払い戻しができなくなります。

つまり、満期になったまま放置しておくと、その貯金自体が無かったことになってしまうのです。

実際に、2020年度には「369億円」、2021年度には「457億円」の貯金の権利が消滅してしまいました。

今回、総務省が払い戻しについての運用の見直しを要請し、運用の方針が改められることになりました。

証明書が無くても払い戻しが可能に

新たな運用の方針の特徴は次の通りです。

  • 次のような、やむをえない事情があった場合に払い戻しに応じる
    「貯金の存在を認識していなかった」「催告書の存在又は内容を認識していなかった」「払戻しの請求をしなかった」
  • これまで請求が認められなかった人に対し通知を行ない、新しい運用方針に沿って払い戻しをする
  • これまで必要だった証明書が無くても、申し出の内容に応じて払い戻しを行なう
  • 払い戻し請求書について、分かりやすいものに改善する
  • 窓口となる郵便局を含めた体制を整備し、2024年1月から新しい方針で運用を開始する

来年1月まで待って、郵便局の窓口に

今回の運用方針の変更によって、手元に通帳や証書が見当たらない場合でも、郵便局の窓口で問い合わせをすることが可能になりました。

これまで証書や通帳が無くて、貯金の払い戻しができなかった人にも救済の可能性があります。

心当たりのある場合は、来年1月まで待って、郵便局に問い合わせをしてください。

[シニアガイド編集部]