10月から「輸入小麦」の価格が11%の値下げ。パンや麺類などの値下げに期待
[2023/9/16 00:00]
輸入小麦の価格が11%引き下げ
政府による輸入小麦の売り渡し価格が、10月から引き下げられます。
小麦は戦略的な物資のため、安定的に買い付けができるように、政府が計画的に輸入して、製粉企業などに売り渡しています
そのため、政府売渡価格の値段は、そのままパンや麺類など、小麦を原料とする食品の価格に影響します。
現在の売り渡し価格は「76,750円/トン」ですが、2023年10月からは「68,240円」に引き下げられます。
小麦の売り渡し価格が引き下げられるのは3年ぶりです。
値下げ幅は「11.1%」と大きく、小売店の店頭でもパンなどの価格に影響する可能性が高いでしょう。
ウクライナ侵攻で小麦が暴騰
小麦の国際価格は、2022年2月に始まった、ロシアのウクライナ侵攻により、大きな影響を受けました。
しかし、2023年に入ってからは、ウクライナ情勢の影響を受けつつも、価格の低下が続きました。
現在は、おおむね侵攻前の水準まで価格が下がっています。
これを反映して、農林水産省による小麦の売り渡し価格も引き下げられることになりました。
製品の値下げは、早くても来年
では、パンなどの価格は、いつ下がるのでしょうか。
調査会社の帝国データバンクでは「食品メーカー各社では小麦価格下落による製品価格への反映について順次検討するとみられるものの、値下げの実現は早くとも24年以降になるとみられる」としています。
実は、小麦の価格が下がっても、物流費、包装資材、砂糖、光熱費などが上がっているので簡単に値下げをすることができません。
また、円安が続いており、輸入原料の仕入れ価格にも影響が出ています。
これらの事情により、すぐに値下げは行なわれず、早くても来年になってからと思っておいた方がよさそうです。