今年は外食産業の4割が値上げを実施。「洋食」や「居酒屋」などは客足が戻らず

[2023/10/28 00:00]

外食産業の動向調査

調査会社の帝国データバンクが、「外食主要100社の値上げ動向」のレポートを公開しています。

このレポートは、2023年10月時点の外食産業の動向をまとめたものです。

2023年に値上げした企業は4割

外食産業100社のうち、2023年に値上げを行ったか、年内に行なう予定なのは「42社」でした。

2022年には「58社」が値上げをしたので、今年はかなり減っています。

なお、今年値上げをした42社のうち、37社は2022年に続いて2年連続で値上げをしています。

出典:帝国データバンク

値上げは低価格のチェーンが中心

値上げを行なった企業は、牛丼やハンバーガー、うどんなど、単価が安い「低価格チェーン」が中心でした。

値上げの理由は、「食肉」「小麦粉」「原油」の高騰が挙がっています。

単価が安い分野では、これらの資材の高騰を吸収できず、値上げをせざるを得ないのです。

また、アルバイトなどの人件費の増加を挙げる企業もありました。

人手不足や最低賃金の引き上げなどによって、人件費の高騰は避けられない情勢にあり、人手を必要とする外食産業への影響は避けられません。

値上げをすると客足が減ってしまう

しかし、外食産業においては、簡単に「値上げ」はできません。

なぜなら、値上げは客数に影響してしまうからです。

2022年に値上げした企業のうち、2023年の9カ月間すべてで前年の客数を上回ったのは4割に届きませんでした。

一方、2022年に値上げしなかった企業では、8割以上が前年の客数を上回りました。

つまり、値上げをすると、お客さんが大幅に減ってしまうのです。

2022年の値上げが、今年の客足に影響したことで、再度の値上げを思いとどまった企業も少なくないでしょう。

出典:帝国データバンク

「洋食」や「居酒屋」などは客足が戻らない

最後に、分野別の動向を見てみましょう。

総務省の「家計調査」によれば、2023年の外食への支出額は、新型コロナウイルス感染症が流行する前の水準に戻っています。

出典:帝国データバンク

しかし、分野別に見ると、回復状況には大きな差があります。

ハンバーガーや喫茶店、ラーメンなどはコロナ前を上回っていますが、居酒屋などの酒類の消費は大幅に落ち込んでいます。

新型コロナの影響は終わったように見えますが、分野による差が大きく、完全な回復には程遠い状況なのです。

新型コロナが一段落したことで、低価格で軽い飲食はするようになりました。

しかし、夜間に長時間滞在する「洋食」や「居酒屋」などの分野は、まだ敬遠されていると見て良いでしょう。

多くの人が、安心してディナーや飲酒を楽しむ気分になるのは、もう少し先のことになりそうです。

出典:帝国データバンク
[シニアガイド編集部]