東京都の人口は、1年で約5万人も自然減している。婚姻率が高い「23区」、死亡率が高い「郡部」と「島部」
全国よりも出生率が低い「東京都」
東京都の合計特殊出生率は「1.04」で、全国の「1.26」よりも、ずっと低いことが分かりました。
つまり、東京都の人口は増える力が少ないのです。
東京都の人口増加は続いていますが、それは他県からの流入による「社会増」であって、東京に住んでいる人による「自然増」ではありません。
東京都が発表した2022年の人口動態統計をもとに、都民の人口の変化について紹介します。
7年連続で出生数が減少
まず、子供が生まれる「出生」から見ていきましょう。
東京都の出生数は「91,097人」で、前年より4,307人減少しました。
これで、7年連続の減少となります。
1人の女性が一生の間に生む子供の数を示す「合計特殊出生率」は「1.04」でした。
こちらも、前年の1.08より低下しています。
これで、6年連続の低下となりました。
都民の出生は少なく、しかも年を追って少なくなっているのです。
16年連続で死亡数が増加
次に、「死亡」について見ていきましょう。
東京都の死亡数は「139,264人」で、前年より11,615人増加しました。
死亡数の増加は、16年連続になります。
人口千人当たりの死亡率は「10.4」で、全国の「12.9」よりも低くなっています。
死亡率は、都内でも地域による差が大きい項目です。
区部(23区)は「9.5」、市部は「10.6」と低いのですが、郡部は「19.3」、島部は「17.2」と高くなっています。
1年間で約5万人も減っている
出生数から死亡数を引いた数字を「自然増減数」と言います。
東京都の自然増減数は「マイナス48,167人」でした。
これで、7年連続の自然減となっています。
つまり、他県からの流入がなければ、東京都の人口は、毎年約5万人のペースで減少していることになります。
結婚が多く、離婚が少ない
最後に、「結婚」について紹介しましょう。
「結婚」したカップルは「75,179組」で、前年より5,366組増加しました。
人口千人当たりの「婚姻率」は「5.6」で、全国の「4.1」よりもかなり高くなっています。
つまり、東京都は、結婚しやすい環境であることが分かります。
特に「区部」の婚姻率は「6.1」と高く、結婚しやすい年齢の人口が多いことが予想されます。
一方、「離婚」したカップルは「19,255組」で、前年より350組減少しました。
人口千人当たりの「離婚率」は「1.43」で、全国の「1.47」よりも少し低くなっています。
「離婚率」は地域による差が少ないのですが、「郡部」は1.72、「島部」は1.98と少し高めになっています。