減便や廃止が相次ぐ路線バス。老後の足に大きく影響
[2023/11/24 00:00]
民営バスの路線が1割減っている
調査会社の帝国データバンクによれば、民営のバス会社127社のうち、8割以上にあたる103社が、バスの減便や路線の廃止を行なっていることが分かりました。
すでに、ほとんどの都道府県で減便や廃止が始まっており、127社が運営する約1万4千路線のうち、1割が減便や廃止の対象となっています。
原因は運転手の不足
減便や廃止が行なわれる最大の理由は「運転手(人手)不足」です。
運転手の高齢化や人手不足により、運行系統の整理に踏み切るバス会社が目立ちます。
バスの運転手は、他業種に比べて給与水準が低いことや、長時間労働など待遇面の悪さが人材定着に悪影響を及ぼしているとの指摘があります。
しかし、コロナ禍で落ち込んだ乗客数が戻らないことや、燃料費の高騰などにより、賃上げで運転手を確保するできるバス会社は多くありません。
さらに、ドライバーの時間外労働が、年間で960時間に制限される「2024年問題」への対応も課題となっています。
都市部でも事業の廃止が始まっている
民営のバスは、高齢者にとって貴重な移動手段です。
しかし、路線の減便や廃止は、地方だけではなく都市部にも及んでいます。
その一例が、大阪府の金剛バスで、2023年12月20日をもって、すべてのバス事業を廃止します。
廃止の理由は、乗務員の人手不足と売上の低下でした。
また、首都圏でも、郊外と郊外を結ぶ路線や早朝や深夜の便を中心に減便が始まっています。
民営バスの路線については、いつかは便数が減ってしまったり、無くなってしまう可能性があるという前提で、代わりの交通手段を検討しておきましょう