遺産相続をした人の5人に1人はトラブルに遭遇。相手は「自分の兄弟」
遺産相続についてのアンケート
弁護士紹介サイトなどを運営するアシロが、遺産相続に関するアンケート結果を公開しています。
2023年11月に行なわれたインターネット調査には、20代以上の男女5,000人が回答しています。
相続を経験しているのは3人に1人
遺産相続を経験したことがある人は、回答者の「31.2%」でした。
だいたい3人に1人ぐらいの割合で、相続を経験したことがあります。
相続した5人に1人はトラブルに遭っている
遺産相続を経験した人のうち、「トラブルが発生した」人は22.9%でした。
遺産相続を行なった人の5人に1人ぐらいの割合で、相続に関するトラブルに遭っています。
トラブルの内容は「遺産分割」
遺産相続に関するトラブルの種類を聞いています。
一番多い回答は「遺産分割に関するトラブル」でした。
つまり、遺産の分け方や取り分に不満があって、トラブルになることが多いのです。
次に多い回答が「遺留分」でした。
遺留分とは「奪われることのない遺産の留保分」を指します。
例えば、亡くなった人の配偶者や子供は、財産を相続する権利を持っており、この権利は遺言によっても奪うことはできません。
つまり、遺留分を主張すれば定められた分の財産を取得できます。
例えば、「長男には何も相続させない」という遺言状があったとしても、長男が遺留分を主張すれば、一定の割合で遺産を相続することができます。
トラブルの相手は「自分の兄弟」
相続に関するトラブルがあった人に、その相手を聞いています。
一番多い回答は「自分の兄弟」でした。
たぶん、親の財産を相続するにあたり、どのように遺産を分けるかということで、他の兄弟とモメてしまうのでしょう。
実際にあったトラブルの例
最後に、回答者から寄せられた実際にあったトラブルの例を紹介します。
- 実母が亡くなったが、預金通帳を同居していた姉が隠していて相続手続きができずにいる。(50代男性)
- 引きこもりで働いたことがない弟が、親が亡くなった際にお金は全部自分のものだと言い張って、結局諦めた。(40代女性)
- 親の介護をしていなかった兄が、自分だけ相続分が少ないと主張したことで揉めた。(60代男性)
- 遺言書の内容を認めない相続人がいて、相続手続きが進まない。(40代女性)
- 祖母が貸していた家屋を、借りていた親戚が自分たちのものだと主張して裁判になった。(40代男性)
いずれも、そこまで行ったら、これまで通りの付き合いができなくなるようなトラブルです。
相続という修羅場においては、親子兄弟の縁が切れて関係が修復できなくなることさえ珍しいことではないことが分かります。