「宅配ピザ店」の倒産が急増。「人手不足」の影響で、過去15年間で最多に
[2023/12/30 00:00]
「宅配ピザ店」の倒産が過去15年間で最多に
調査会社の東京商工リサーチによれば、宅配ピザ店の倒産が急増し、過去15年間で最多となっています。
2023年に倒産した宅配ピザ店は、11月末の時点で13件に上りました。
すでに、2022年1年間の6件の2倍以上となり、記録が残っている2009年以降で最多となっています。
人手不足の影響が大きい宅配ピザ店
宅配ピザ店を含む宅配飲食サービス業は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴って新規参入が続いていました。
しかし、2023年に入ってからは、新型コロナの5類移行、材料費の高騰、人手不足などの困難が発生し、経営が苦しくなっています。
特に宅配ピザ店は宅配を行なう配達員の確保が必要なため、人手不足の影響が大きくなっています。
一部の店舗では、配達を伴わない持ち帰り割引の導入などの対策も行なわれていますが、強みである「配達」を手放すと、一般のレストランなどとの競合が避けられません。
規模の大きい企業でも倒産の可能性がある
もう一つ、宅配ピザ店の倒産の特徴となっているのは、比較的大きな企業でも倒産していることです。
例えば、2023年5月には、関西を中心にチェーンを広げていた「シカゴピザ」を運営していた株式会社シカゴピザが倒産しました。
「シカゴピザ」の負債総額は15億円に及びます。
それ以外でも、倒産した13件のうち6件が、負債が1億円を超える規模となっています。
宅配ピザ店の不調には、人手不足の影響が大きいため、事業規模にかかわらず厳しい状況にあることがわかります。
いわば、宅配ピザ店というビジネスモデルの存在意義が問われる事態となっています。
なお、「シカゴピザ」の商標や事業の一部は、同じ宅配ピザ店事業を営む株式会社ストロベリーコーンズが継承しています。