飲食店の倒産が過去最悪のペース。すでに昨年1年分を超えた「宅配」と「持ち帰り」の倒産

[2023/8/9 00:00]

過去最悪だった2020年を超える勢い

調査会社の東京商工リサーチによれば、2023年1月から7月における飲食業の倒産は「495件」でした。

これは、1年前に比べて78%も増えています。

東京商工リサーチでは、飲食業の倒産が増えた理由として、次の5つを挙げています。

  • コロナ禍が終わっても、客足が戻らない業態がある
  • 人手不足による人件費の上昇
  • 物価高による食材価格の上昇
  • 光熱費の高騰
  • 新型コロナ対策の支援策の終了

このままの状況が続けば、今年の飲食業倒産は、過去最多だった2020年の842件を上回る可能性があります。

出典:東京商工リサーチ

コロナ禍の終わりで、撤退が続く「宅配」と「持ち帰り」

倒産した飲食店を業種別に見てみましょう。

もっとも多い業種は「食堂、レストラン」で「125件」でした。

次に多いのが「専門料理店」の111件で、「酒場、ビヤホール」の105件が続きます。

「食堂、レストラン」は、7月の時点で、昨年1年間の倒産件数を超えています。

また、「宅配飲食サービス業」と「持ち帰り飲食サービス業」も倒産が増加しています。

「宅配飲食サービス業」は38件、「持ち帰り飲食サービス業」は24件で、いずれも昨年1年間の倒産件数を超えました。

新型コロナによる巣ごもり需要で新規参入が続いた「宅配」と「持ち帰り」のサービスですが、早くも脱落する店舗が増えています。

[シニアガイド編集部]