唐揚げ専門店の倒産が急増。コンビニやスーパーにコスパで勝てず
[2023/12/8 00:00]
去年の7倍以上になった「唐揚げ専門店」の倒産
揚げたての鶏肉のおいしさで勝負する「唐揚げ専門店」の倒産が急増しています。
調査会社の帝国データバンクによれば、2023年の倒産件数は11月までで22件に上りました。
すでに昨年の3件に比べて7倍を超えています。
また、ここで「倒産」とされているのは、負債額が1,000万円以上で法的整理を行なった店舗です。
自主的に廃業している零細な店舗を含めると、さらに多くの唐揚げ専門店が無くなっていると思われます。
鶏肉と食用油の価格上昇が経営を直撃
唐揚げ専門店は、鶏肉の唐揚げを持ち帰り用に販売する業態で、新型コロナ以降に急増しました。
しかし、ウクライナ侵攻以降に、原材料である鶏肉や食用油の値段が高騰しました。
具体的には、3年前に比べて、唐揚げ用の輸入鶏肉の価格は2倍に、食用油は1.5倍に上昇しています。
しかし、「唐揚げ」はB級グルメという印象が強いことから、原材料の価格上昇を販売価格に反映することが簡単ではありません。
それだけ、利益が減少しており、経営が苦しい状況なのです。
スーパーやコンビニとの価格競争に勝てず
また、食費の上昇を受けて、節約志向が強くなったことも、唐揚げ専門店にとって逆風となっています。
現在、唐揚げ専門店の平均価格は、唐揚げ3個に相当する120gで「340円」となっています。
しかし、食品スーパーやコンビニでは「220円」、市販の冷凍食品ならば「171円」で済みます。
「揚げたてを味わえる」という魅力があっても、これだけ価格差が大きいと選択肢から外れてしまうのです。
新型コロナの流行が一段落したこともあって「持ち帰り」という業態への魅力も薄れています。
今後も、倒産する唐揚げ専門店が増えるでしょう。