例えば25日に生まれた人は、その月の年金はもらえるのでしょうか。もしかして日割りで計算しますか
誕生日がある月の年金はもらえない
現在は、「65歳になったら、老齢年金(以下、年金)が受け取れる」ことになっています。
では、65歳になった誕生日がある月、つまり「誕生月」の分も年金は受け取れるのでしょうか。
例えば、3月25日生まれの人は、3月分の年金を全額もらえるのでしょうか。
それとも退職時の給与のように日割りで計算して、7日分だけくれるのでしょうか。
実は、誕生日がある月の分は、年金は支給されません。
日本年金機構では、「年金は、受給権が発生した月の翌月分から受け取ることができる」としています。
つまり、3月28日生まれの人は、3月分の年金は無くて、4月分から支給されるのです。
「1日」生まれだけ、その月の年金がもらえる
しかし、まだ疑問は残ります。
例えば、3月1日生まれの人も3月28日生まれの人も、4月分からしか支給されないとすれば、それはそれで不公平ではないでしょうか。
そこで、「誕生日が1日の方のみ誕生月当月からになります」というルールが追加されています。
つまり、3月1日生まれの人の年金は3月分から、3月2日以降に生まれた人は4月分からとなります。
ここまで、まとめると、次のようになります。
- 老齢年金が支給されるのは誕生月の翌月分から
- 誕生日が1日の人は、誕生月の分も受け取れる
「1日生まれ」が特別な例
余談ですが、この「1日生まれだけ特別扱いする」というのは、年金の基本的なルールです。
実は、このような例は他にもあります。
例えば、年金の支給年齢が引き上げられた際に始まった「特別支給の老齢厚生年金」という制度では、「4月1日」が区切りになっています。
この制度の対象となる年齢が、男性は「昭和36年(1961年)4月1日生まれまで」、女性は「昭和41年(1966年)4月1日生まれまで」と定められているのです。
つまり、同じ年に生まれても、4月1日生まれであれば64歳から「特別支給の老齢厚生年金」が受け取れますが、4月2日生まれの人は制度の対象外なので「特別支給の老齢厚生年金」が受け取れません。
4月1日に生まれるか、4月2日に生まれるかという違いだけで、1年分の「特別支給の老齢厚生年金」という差がついてしまうのです。
これはもう、そういうものだと受け止めるしかありません。
そして、自分が1日生まれの人は、年金については特別な扱いになるかもしれないということを覚えておいて損はありません。