実際に支給されている国民年金の月額は「56,316円」。保険料が未納だった人が多く、満額より1万円少ない

[2024/1/24 00:00]

満額を受け取っている人は少ない

学生や自営業など、雇用されていない人の年金が「国民年金」です。

国民年金では、20歳から60歳までの40年間(480カ月)年金保険料を納入し、65歳から老齢基礎年金を受け取ります。

2023年度では、老齢基礎年金の月額は最大で「66,250円」に設定されています。

しかし、実際に受け取っている金額は「56,316円」でした。

月額で1万円近い差が出るのは、老齢基礎年金の金額が、年金保険料を納めた期間で決まるからです。

「66,250円」を受け取るためには、40年間欠けることなく、年金保険料を納める必要があるのです。

しかし、ほとんどの人は「保険料の納付月数÷480カ月(40年)」を掛けた金額が支給されます。

例えば、33年4カ月(400カ月)分を納入していると、66.250円×(400÷480)で「55,2098円」が年金の金額となります。

「大学時代未納だった」とか「転職時に国民年金に切り替えるのが遅れて未納になった」などの理由で、未納期間がある人が多いのです。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成。7万円を超えている人がいるのは付加保険料によって上乗せされている分があるため

男性の方が4千円ぐらい多い

老齢基礎年金の月額を男女別にみると、男性が「58,798円」、女性が「54,426円」で、4千円の差があります。

男女とも「6~7万円」が最多ですが、男性が全体の5割を超えているのに対して、女性は3割しかいません。

その分、女性は年金額が低い人が多くなっています。

女性は、結婚や転職など、複数の年金制度をまたぐ機会が多いので、未納期間ができやすいのでしょう。

少しでも年金の金額を増やすためにも、未納期間ができないように早めの届け出が大切です。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成。7万円を超えている人がいるのは付加保険料によって上乗せされている分があるため
[シニアガイド編集部]