墓じまいの費用は「31万円~70万円」が最多。大変なのは「改葬先選び」と「役所の手続き」

「墓じまい」についてのアンケート
鎌倉新書が運営するお墓の情報サイト「いいお墓」が、「墓じまいに関する実態調査」の結果を公開しています。
2024年1月に行なわれたインターネット調査には、改葬や墓じまいを検討または実行した533人が回答しています。
ここで言う「墓じまい」とは、現在のお墓を撤去して、他の墓地に移転したり、永代供養墓地などに改葬することを指しています。
墓じまいの理由は「遠方」と「継承者無し」
まず、「墓じまいを検討した理由」を聞いています。
一番多いのは「お墓が遠方にある」でした。
半分以上の人がこれを挙げています。
次に多いのが「お墓の継承者がいない」で、こちらも4割を超えています。
この2つが、墓じまいの大きな理由のようです。

実施費用は「31万円~70万円」が最多
実際に墓じまいをした256人に、その費用を聞いています。
一番多いのは「31万円~70万円」でした。
しかし、費用の差は大きく、「30万円以下」から「151万円以上」まで5倍以上も幅があります。
その理由は、撤去費用と移転先にあります。
現在のお墓の撤去費用は、1平方m当たり10~15万円かかるので、お墓の広さによって大きく差が出ます。
また、移転先には、さまざまな選択肢があるので、どれを選ぶかで金額が大きく変わります。

移転先の選択肢は多い
では、墓じまいの移転先には、どんな選択肢があるのでしょうか。
一番多いのは「合祀墓・合葬墓」で、3割を占めています。
また、「樹木葬」と「一般墓」も2割を超えています。
これに、「納骨堂」を加えた4つが、主な選択肢と言えるでしょう。
遺骨を海などに葬る「散骨」を選ぶ人は、少数派のようです。

大変なのは「改葬先選び」と「役所の手続き」
最後に、墓じまいを行なう上で大変だったことを聞いています。
一番多いのは「遺骨の引っ越し(改葬)先選び」でした。
移転先の主な選択肢だけでも4つある上に、それぞれの条件の確認や見学の手間を考えると負担を感じても仕方がないでしょう。
次に多いのが「役所の手続き」でした。
改葬を行なうためには、「改葬元の墓地がある市区町村の役所」と「改葬元の墓地」、「改葬先の墓地がある区町村の役所」と「改葬先の墓地」の4カ所で手続きが必要です。
特に、「改葬許可申請書」は、基本的には、埋葬されている方1人につき1枚取得して記入する必要があります。
先祖代々の方が眠るお墓だと、氏名・本籍・住所・性別・死亡年月日などの必要項目がわからないことや、何人が埋葬されているかわからないことなどもあり、さらに負担が大きくなるのです。
墓じまいに関する作業を一括して代行してくれる業者もいるので、見積もりだけでも取ることをおすすめします。
