施設数が多く入りやすい「有料老人ホーム」を選ぶ4つのチェックポイント

[2016/2/28 05:05]

民間企業が提供する「老人ホーム」の代表格

日本の老人ホームの中で、「特養」の次に多いのが「有料老人ホーム」と呼ばれるタイプです。

約1万の施設があり、定員数の合計も約38万人あります。

有料老人ホームの定義は「老人を入居させ、規定のサービスを提供している施設」です。

名称は「施設」ですが、老後の生活を送るためのサービスが提供される「住宅」として考えた方が良いでしょう。

民間企業が運営している「老人ホーム」のほとんどは、この「有料老人ホーム」です。

施設数や定員数が多く、比較的入りやすいため、要介護度が低い人が老人ホームを探すときは、この「有料老人ホーム」か「サ高住」から検討します。

この記事では、有料老人ホームについて紹介し、最後に4つのチェックポイントをお知らせします。図版類の出典は厚労省資料です。

高齢者向け施設のタイプ別定員数。「有老」と略されているのが「有料老人ホーム」で「特養」の次に多い

有料老人ホームが提供するサービス

有料老人ホームが提供するサービスは次の4つです。施設によって、提供するサービスの数は異なります。

  • 食事の提供
  • 介護(入浴・排泄・食事)の提供
  • 洗濯、掃除などの家事の提供
  • 健康管理

3つのタイプがある

有料老人ホームには、次の3つのタイプがあります。

主に、介護が必要になった場合のサービスの受け方が異なります。

介護付き有料老人ホーム
都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、介護サービスを24時間提供する
住宅型有料老人ホーム
介護については外部の介護事務所から訪問介護を受ける
健康型有料老人ホーム
健康な人だけが入居でき、介護が必要になれば退所する必要がある

件数では、「介護付き」と「住宅型」が多く、「健康型」はほとんどありません。

すでに入居時に介護が必要な状態であれば「介護付き」を選びましょう。

「介護付き」と「住宅型」の介護サービスの受け方の違い。「介護付き」は施設内で完結する

間取りや入居費は千差万別

高級な有料老人ホームのインテリア例

有料老人ホームは、サービス面での規定はありますが、入居費や間取りなどについての規定はありません。

したがって、入居費が数千万円単位という高級マンションのような施設から、入居費がいらないアパートを改築した施設まで、施設による差が大きくなっています。

入居を検討するときは、1つ1つの施設について、価格や間取りを検討する必要があります。

有料老人ホームについては、厚労省によるリンク集や、全国有料老人ホーム協会による検索機能もありますが、民間企業による検索サイトも多数あります。

有料老人ホームのチェックポイント

有料老人ホームを選ぶときは、4つのポイントをチェックしましょう。

どのサービスが提供されているか
サービス内容は施設ごとに異なります
「介護付き」「住宅型」「健康型」の3つのタイプのどれに属しているか
介護が必要になったときの対応が異なります
都道府県への届け出がされているか
「有料老人ホーム」は設置時に届け出が必要です。「未届け」では行政との連携や、行政による保護が受けられない場合があります
月々の料金のほかに入居費が必要か
「敷金」や「サービス費用の前払金」として入居費を取る施設は多いですが、金額には大きな差があります

有料老人ホームは、長期間生活する「住まい」ですから、自分の条件に合った施設を納得が行くまで探し、施設を見学した上で契約しましょう。

なお、入所から90日以内であれば、実費を除く費用はすべて返還される規定があります。退所する場合は、3カ月以内をめどに決断しましょう。

「有料老人ホーム」には90日以内であれば実費以外は全額返還が義務付けられている。また「権利金」などは取ってはいけないことになっている
[シニアガイド編集部]