施設数が多く入りやすい「有料老人ホーム」を選ぶ4つのチェックポイント
民間企業が提供する「老人ホーム」の代表格
日本の老人ホームの中で、「特養」の次に多いのが「有料老人ホーム」と呼ばれるタイプです。
約1万の施設があり、定員数の合計も約38万人あります。
有料老人ホームの定義は「老人を入居させ、規定のサービスを提供している施設」です。
名称は「施設」ですが、老後の生活を送るためのサービスが提供される「住宅」として考えた方が良いでしょう。
民間企業が運営している「老人ホーム」のほとんどは、この「有料老人ホーム」です。
施設数や定員数が多く、比較的入りやすいため、要介護度が低い人が老人ホームを探すときは、この「有料老人ホーム」か「サ高住」から検討します。
この記事では、有料老人ホームについて紹介し、最後に4つのチェックポイントをお知らせします。図版類の出典は厚労省資料です。
有料老人ホームが提供するサービス
有料老人ホームが提供するサービスは次の4つです。施設によって、提供するサービスの数は異なります。
- 食事の提供
- 介護(入浴・排泄・食事)の提供
- 洗濯、掃除などの家事の提供
- 健康管理
3つのタイプがある
有料老人ホームには、次の3つのタイプがあります。
主に、介護が必要になった場合のサービスの受け方が異なります。
- 介護付き有料老人ホーム
- 都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、介護サービスを24時間提供する
- 住宅型有料老人ホーム
- 介護については外部の介護事務所から訪問介護を受ける
- 健康型有料老人ホーム
- 健康な人だけが入居でき、介護が必要になれば退所する必要がある
件数では、「介護付き」と「住宅型」が多く、「健康型」はほとんどありません。
すでに入居時に介護が必要な状態であれば「介護付き」を選びましょう。
間取りや入居費は千差万別
有料老人ホームは、サービス面での規定はありますが、入居費や間取りなどについての規定はありません。
したがって、入居費が数千万円単位という高級マンションのような施設から、入居費がいらないアパートを改築した施設まで、施設による差が大きくなっています。
入居を検討するときは、1つ1つの施設について、価格や間取りを検討する必要があります。
有料老人ホームについては、厚労省によるリンク集や、全国有料老人ホーム協会による検索機能もありますが、民間企業による検索サイトも多数あります。
有料老人ホームのチェックポイント
有料老人ホームを選ぶときは、4つのポイントをチェックしましょう。
- どのサービスが提供されているか
- サービス内容は施設ごとに異なります
- 「介護付き」「住宅型」「健康型」の3つのタイプのどれに属しているか
- 介護が必要になったときの対応が異なります
- 都道府県への届け出がされているか
- 「有料老人ホーム」は設置時に届け出が必要です。「未届け」では行政との連携や、行政による保護が受けられない場合があります
- 月々の料金のほかに入居費が必要か
- 「敷金」や「サービス費用の前払金」として入居費を取る施設は多いですが、金額には大きな差があります
有料老人ホームは、長期間生活する「住まい」ですから、自分の条件に合った施設を納得が行くまで探し、施設を見学した上で契約しましょう。
なお、入所から90日以内であれば、実費を除く費用はすべて返還される規定があります。退所する場合は、3カ月以内をめどに決断しましょう。