大手企業の大卒定年退職金は「2,374万円」

[2017/12/30 00:00]

老後の生活を支える退職金

会社を退職する際に貰える「退職金」は、年金と並んで老後の生活を支える柱です。

ここでは、経済団体連合会(経団連)が定期的に行なっている退職金に関する調査から、退職金の金額を中心に紹介しましょう。

最新の調査は、2017年6月に発表されたもので、経団連の企業会員など283社が回答しています。どちらかといえば、大企業が中心なので、世間一般の水準よりも高めと思って良いでしょう。

退職金の平均は大卒2,357万円

退職金の平均額は、60歳の大卒者が、卒業後38年間勤務した場合で「2,374万円」でした。

また、高卒で42年間勤務した場合は、総合職で「2,047万円」、生産/現業で「1,821万円」です。

60歳退職時の退職金の金額 出典:データを基に編集部が作成

退職金は、毎月の給与の何倍か

多くの会社では、退職金の金額は、毎月支給されている給与(本給)を基にして計算されています。

この調査によれば、大学卒の場合「40.6カ月分」、高卒総合職が「39.9カ月分」、高卒生産/現業が「44.2カ月分」に相当します。

つまり、自分の退職金を計算するときは、毎月の給与の40倍を、一つの目安にすれば良いでしょう。

60歳退職時の退職金の支給月数 出典:データを基に編集部が作成

ポイント制の内容

退職金を計算する、もう1つの方法として「ポイント制」を採用する企業も増えています。

これは、従業員の勤務状態や評価に応じて、ポイントを積み立てておいて、退職金を支給する際に、ポイントの残高に応じて退職金を支払う方法です。

この方法には、従業員からは評価の基準が見えにくく、退職金の金額を想像することが難しいという欠点があります。

しかし、今回の調査によれば、60歳時点のポイントの配分は、「資格/職務要素」が70%、「年功要素」が18%、「考課要素」が10%、「その他」が2%でした。

つまり、退職金の金額は、どんな仕事をしていて、どんな役職についているかで、7割は決まります。

勤務年数などで2割、職務上の賞罰などで1割上下すると思えば良いでしょう。

ポイント制であっても、自分の仕事と、それによって就いた役職などが評価されると考えれば、自分が受け取る退職金の金額も想像しやすいでしょう。

60歳時点のポイントの配分 出典:データを基に編集部が作成

退職年金制度との併用が66%

ここまでは退職金の金額と、それが決まる理由を見てきました。

しかし、退職金の支給方法は、一括払いの「退職一時金」と、年金として分割払いされる「退職年金」の2通りがあります。

今回の調査では、「退職一時金制度と退職年金制度の併用」が多く71.7%を占めます。「退職一時金制度のみ」は13.4%、「退職年金制度のみ」は11.7%、でした。

退職金制度の形態 出典:経団連

このように、退職年金制度は、退職一時金だけではなく、企業年金も含めても用意している会社が多いのです。

退職後の生活を考えるときに、金額が大きい「退職一時金」にとらわれがちですが、「退職年金」は毎日の生活の支えとしてありがたい存在です。ぜひ、自社の制度について調べておきましょう。

【お知らせ】この記事は2017年12月30日にデータを更新しました。

[シニアガイド編集部]