要介護度で分かる、在宅での介護時間の目安
要介護度ごとの介護の目安を探す
介護保険を利用する際には、要介護度認定を受けて、現在の身体状況が判断されます。
要介護度認定は、下の表のように7段階に分かれており、要介護度によって使用できるサービスの種類や量に差があります。
介護経験のない人が、事前に想像しにくいのは、例えば「要介護3」で「入浴や着替えに介助が必要」とされる人を在宅で介護する場合、どれぐらいの作業を想定しておけば良いのかということです。
例えば、要介護度ごとに、誰かが1日中、付き添っている必要があるのか、それとも半日で良いのかという目安が、何かないかと思い探してみました。
「ほとんど終日」を介護に費やす人の割合
見つけたのは「国民生活基礎調査」という国による調査の報告書です。
この調査は毎年行なわれていますが、3年に1度は規模を拡大して「介護」についての現状も調べています。
現時点で最新の平成25年調査では、介護については6,342人の回答が集計されています。かなり規模が大きく信頼性の高い調査と言って良いでしょう。
上のグラフは、自宅で介護している場合に、家族がどれぐらいの時間を介護に費やしているかを表しています。
赤く塗った部分が「ほとんど終日」介護に費やしている割合です。
グラフを見ると「要介護1」では13.5%だった「ほとんど終日」の割合が、「要介護2」では23.4%と倍近くになります。
さらに、「要介護3」では35.9%まで上がり、「要介護4」では半数以上となります。
こうしてみると、例えば介護する側の人が少ない状態で、自宅介護ができるのは、「要介護1」ないし「要介護2」ぐらいまでであることがわかります。
要介護度が高い人が入居する「特別養護老人ホーム(特養)」の入居条件が、基本的には「要介護3」以上となっていることからも、このあたりが1つの分かれ目であると判断して良いでしょう。
ご承知のように、特養については申し込みをしてから入居まで時間がかかるという調査結果があります。
もし、自分が介護をする立場になり、介護を受ける人の要介護度が進み、「要介護1」から「要介護2」になってきたら、施設への入居の検討を始めましょう。
また、要介護認定を受ける際には、地元の地方自治体や地域包括支援センターとのつながりができているはずです。
介護を受ける人の状況の変化や、施設探しなどについては、こまめに連絡をとって支援を受けるようにしてください。