65歳以上の独身男性には、2週間会話のない人が16.7%もいる
一人暮らしの高齢者の会話に関する調査結果
一人暮らしの高齢者の日常的な会話について、詳しい調査結果を見つけました。
国立 社会保障・人口問題研究所による「生活と支え合いに関する調査」です。
2012年に行なわれた、少し前の調査ですが、調査方法などが手堅く信頼できます。
記事中のデータの出典は、すべて調査報告書によるものです。グラフ化は編集部が行ないました。
独身男性は会話が少ない
まず、65歳以上の独身男性の「会話の頻度」を見てみましょう。
会話が毎日ある人は50.0%に留まっています。とくに「2週間に1回以下」しか会話がないという人が16.7%もいます。
同じ65歳以上の独身でも、女性は会話が多く、まったく頻度が異なります。
毎日話す人は62.8%に増え、「2週間に1回以下」しか会話がない人は3.9%に留まっています。
先ほどと同じ65歳以上の男性でも、夫婦二人暮らしの場合は、ぐっと会話が増えます。
毎日会話がある人は85.4%に増え、「2週間に1回以下」しか会話のない人は4.1%に減ります。
夫婦二人暮らしでは、配偶者との会話があるのでしょう。
誰とも会話を交わしていない人もいる
65歳以上の独身男性が、いったい何人と会話を交しているのか人数を聞いています。
一番多いのは「1~4人」ですが、なんと「0人」という人も3.0%います。
つまり、まったく会話がない人がいるということです。
会話の相手は「友人・知人」「近所の人」
では、65歳以上の独身男性は、誰と会話を交しているのでしょうか。
多い順では「友人・知人」「近所の人」「家族・親族」「医師などの専門家」と続きます。
「職場の同僚・元同僚」は、他の年代に比べて少なく、定年を迎えるとともに、会社の同僚とも縁が切れてしまう様子がうかがえます。
会話の減少は「孤独死」への第一歩
この調査により、65歳以上の独身男性は、同じ年令の女性や、二人暮らしをしている男性に比べて、ずっと会話が少ないことがわかりました。
周囲との会話が少ないと、孤独感を感じて「孤独死」を意識しやすくなるという調査結果もあります。
現役世代のうちから、友人・知人や近所の人と言葉を交わすように心がけ、会話ができる人を増やしましょう。