65歳未満と65歳以上では、年金にかかる税金の重さが違う

[2018/2/12 01:25]

年金を受け取る年齢で税金の重さが違う

年金について忘れがちなのが、年金にも税金がかかることです。

しかも、税金を受け取る人の年齢が「65歳未満」と「65歳以上」とでは、かかる税金の計算方法が違います。

65歳未満で年金を受け取ると、65歳以上に比べて、税金の金額が大きくなるのです。

今回は、この年金を受け取る年齢による税金の計算方法について、紹介しましょう。

年金にかかる税金の計算方法

「年金」は、「雑所得」として扱われ、所得税と住民税がかかります。

2つの税金は、あらかじめ年金から引かれた状態で支給されてます。

所得税の場合、雑所得にかかる税率は「5.105%」です。

税率は一定なのですが、65歳を境に税額を計算するときに引かれる「控除」の計算方法が変わります。

簡単に言うと、65歳未満は控除が小さく、65歳以上は大きくなります。

引かれる金額が大きくなるのですから、同じ年金額でも65歳以上は、所得税が安くなります。

分かりやすく無税の範囲で見ると、「65歳未満は年間70万円までは無税、65歳以上は年間120万円までは無税」です。

同じ年金額でも、年に8千円も差が出る

税額の計算方法は下の表を参照してください。

例えば、65歳以上で収入が350万円の場合には、「3,500,000円×75%-375,000円=2,250,000円」と計算します。

この225万円が「所得」となります。

この「所得」に、5.015%の所得税がかかるわけです。

年金額から、所得額を計算する方法

実際に、65歳未満と65歳以上で、どれぐらい税額が異なるのか計算してみましょう。

厚生年金に加入していたサラリーマン家庭のモデル年金である「年額2,658,048円」で計算してみましょう。

65歳未満では、2,658,048円×75%-375,000円=1,618,536円が所得となります。これに5.105%を掛けた所得税は「82,626円」です。

65歳以上では、2,658,048円×100%-1,200,000円=1,458,048円が所得となります。所得税は「74,433円」です。

82,626-74,433=8,192円ですから、同じ金額の年金を受け取っていても、年間で「8,192円」も所得税に差がでます。

ここでは、所得税だけ取り上げましたが、住民税についても、「65歳未満」と「65歳以上」では、控除額に差があり、65歳未満は税額が大きくなります。

地域によって税率などが異なりますので、お住いの地方自治体のホームページでご確認ください。

「繰上げ支給」をするときは、税金のことも考えよう

現在、公的年金の支給は65歳以上が原則ですが、繰上げ支給は60歳からできます。

繰上げ支給は、年金の支給額が減るだけではなく、税金も高くなります。

繰上げ支給を検討するときは、どうしても必要な場合だけ繰り上げるようにしましょう。

【お知らせ】この記事は2018年2月12日に内容を更新しました。

[シニアガイド編集部]