65歳未満と65歳以上では、年金にかかる税金の重さが違う
年金を受け取る年齢で税金の重さが違う
年金について忘れがちなのが、年金にも税金がかかることです。
しかも、税金を受け取る人の年齢が「65歳未満」と「65歳以上」とでは、かかる税金の計算方法が違います。
65歳未満で年金を受け取ると、65歳以上に比べて、税金の金額が大きくなるのです。
今回は、この年金を受け取る年齢による税金の計算方法について、紹介しましょう。
年金にかかる税金の計算方法
「年金」は、「雑所得」として扱われ、所得税と住民税がかかります。
2つの税金は、あらかじめ年金から引かれた状態で支給されてます。
所得税の場合、雑所得にかかる税率は「5.105%」です。
税率は一定なのですが、65歳を境に税額を計算するときに引かれる「控除」の計算方法が変わります。
簡単に言うと、65歳未満は控除が小さく、65歳以上は大きくなります。
引かれる金額が大きくなるのですから、同じ年金額でも65歳以上は、所得税が安くなります。
分かりやすく無税の範囲で見ると、「65歳未満は年間70万円までは無税、65歳以上は年間120万円までは無税」です。
同じ年金額でも、年に8千円も差が出る
税額の計算方法は下の表を参照してください。
例えば、65歳以上で収入が350万円の場合には、「3,500,000円×75%-375,000円=2,250,000円」と計算します。
この225万円が「所得」となります。
この「所得」に、5.015%の所得税がかかるわけです。
実際に、65歳未満と65歳以上で、どれぐらい税額が異なるのか計算してみましょう。
厚生年金に加入していたサラリーマン家庭のモデル年金である「年額2,658,048円」で計算してみましょう。
65歳未満では、2,658,048円×75%-375,000円=1,618,536円が所得となります。これに5.105%を掛けた所得税は「82,626円」です。
65歳以上では、2,658,048円×100%-1,200,000円=1,458,048円が所得となります。所得税は「74,433円」です。
82,626-74,433=8,192円ですから、同じ金額の年金を受け取っていても、年間で「8,192円」も所得税に差がでます。
ここでは、所得税だけ取り上げましたが、住民税についても、「65歳未満」と「65歳以上」では、控除額に差があり、65歳未満は税額が大きくなります。
地域によって税率などが異なりますので、お住いの地方自治体のホームページでご確認ください。
「繰上げ支給」をするときは、税金のことも考えよう
現在、公的年金の支給は65歳以上が原則ですが、繰上げ支給は60歳からできます。
繰上げ支給は、年金の支給額が減るだけではなく、税金も高くなります。
繰上げ支給を検討するときは、どうしても必要な場合だけ繰り上げるようにしましょう。
【お知らせ】この記事は2018年2月12日に内容を更新しました。