「ふだんの生活の中で、できるだけ配偶者と一緒にいたい」と思っている60代女性は51.8%
シニア世代の夫婦の関係を探る
生保系の研究機関である明治安田生活福祉研究所が、「セカンドライフの生活設計」という調査を行なっています。
その結果の中からシニア世代の夫婦の関係を見てみましょう。
回答者が1万人の大規模な調査です。
男女とも、配偶者との関係は良好であると思っている
まず、「自分の家族との関係が良好である割合」を見てみましょう。
家族のそれぞれについて、「関係が良好である」または「まあ良好である」と回答した人の割合を示しています。
赤い線で囲って示してある「配偶者との関係」は、男性も女性も80%台で、あまり差がありません。
性別で見ると、男性は「配偶者」「配偶者との親」との関係が良好だと思っており、女性は「子ども」「(自分の)親」との関係が良好だと思っています。
夫が思っているほど、妻は夫婦の関係を重視していない
男女ともに「良好である」としている夫婦の関係ですが、「配偶者に対する気持ち」をもう少し詳しく聞いてみると、男女の差が現れてきます。
ここでは60代の男女に聞いた結果です。
例えば「ふだんの生活の中で、できるだけ配偶者と一緒にいたい」という男性は75.6%ですが、女性は51.8%と20%以上も少なくなっています。
同じように「夫婦は同じ部屋で寝るのがいい」「配偶者と同じお墓に入りたい」「もし生まれ変わるとしたら、また同じ人と結婚したい」という質問のすべてで、男性と女性の回答では大きな差があります。
男性に比べて、女性は現在の夫婦の関係を肯定的に受け止めてはいないようです。
介護に際して夫が頼りになると思っている妻は少ない
そのあたりの意識の差がもっと明確に表れているのが、「将来、介護が必要な状態になった時に、頼りにできると思うか」という質問です。
「配偶者が頼りになる」と答えた男性は83.6%なのに対し、女性は68.0%に留まっています。
つまり、危機に際したときの配偶者への信頼度には、大きな男女差があります。
夫婦の関係は長期的な蓄積が重要
ここまで見た3つの質問から、妻の夫に対する気持ちをまとめると、「良好な関係は保っているが、積極的に夫婦としての好意を増すほどではない。自分に介護が必要な場合など、いざというときにはあまりアテにできない」というあたりでしょうか。
夫婦の関係については、定年後に努力するのではなく、長期的に信頼を勝ち得るしか方法はありません。
生活上のパートナーとして信頼して貰えるように、お互いに心がけましょう。