「ふだんの生活の中で、できるだけ配偶者と一緒にいたい」と思っている60代女性は51.8%

[2016/5/3 00:00]

シニア世代の夫婦の関係を探る

生保系の研究機関である明治安田生活福祉研究所が、「セカンドライフの生活設計」という調査を行なっています。

その結果の中からシニア世代の夫婦の関係を見てみましょう。

回答者が1万人の大規模な調査です。

男女とも、配偶者との関係は良好であると思っている

まず、「自分の家族との関係が良好である割合」を見てみましょう。

家族のそれぞれについて、「関係が良好である」または「まあ良好である」と回答した人の割合を示しています。

赤い線で囲って示してある「配偶者との関係」は、男性も女性も80%台で、あまり差がありません。

性別で見ると、男性は「配偶者」「配偶者との親」との関係が良好だと思っており、女性は「子ども」「(自分の)親」との関係が良好だと思っています。

40代~60代に聞いた、周囲の人との関係の良好さ 出典:明治安田生活福祉研究所

夫が思っているほど、妻は夫婦の関係を重視していない

男女ともに「良好である」としている夫婦の関係ですが、「配偶者に対する気持ち」をもう少し詳しく聞いてみると、男女の差が現れてきます。

ここでは60代の男女に聞いた結果です。

例えば「ふだんの生活の中で、できるだけ配偶者と一緒にいたい」という男性は75.6%ですが、女性は51.8%と20%以上も少なくなっています。

同じように「夫婦は同じ部屋で寝るのがいい」「配偶者と同じお墓に入りたい」「もし生まれ変わるとしたら、また同じ人と結婚したい」という質問のすべてで、男性と女性の回答では大きな差があります。

男性に比べて、女性は現在の夫婦の関係を肯定的に受け止めてはいないようです。

60代に聞いた配偶者に対する気持ち 出典:明治安田生活福祉研究所

介護に際して夫が頼りになると思っている妻は少ない

そのあたりの意識の差がもっと明確に表れているのが、「将来、介護が必要な状態になった時に、頼りにできると思うか」という質問です。

「配偶者が頼りになる」と答えた男性は83.6%なのに対し、女性は68.0%に留まっています。

つまり、危機に際したときの配偶者への信頼度には、大きな男女差があります。

40代~60代に聞いた、将来介護が必要な状態になった時に頼りになるか 出典:明治安田生活福祉研究所

夫婦の関係は長期的な蓄積が重要

ここまで見た3つの質問から、妻の夫に対する気持ちをまとめると、「良好な関係は保っているが、積極的に夫婦としての好意を増すほどではない。自分に介護が必要な場合など、いざというときにはあまりアテにできない」というあたりでしょうか。

夫婦の関係については、定年後に努力するのではなく、長期的に信頼を勝ち得るしか方法はありません。

生活上のパートナーとして信頼して貰えるように、お互いに心がけましょう。

[シニアガイド編集部]