検索スキルとSNS利用で分かるインターネット利用の世代差
インターネット慣れしている人でもある世代の違い
JTB総合研究所が、世代別のインターネット利用について、面白い調査結果を発表しています。
調査対象は、過去1年以内に1回以上、宿泊を伴う旅行をしたことがある人で、調査方法はインターネットアンケートです。
つまり、旅行に興味があって、インターネット利用に慣れた人を対象にしています。
対象地域は東名阪(首都圏、名古屋圏、大阪圏)在住者で、回答者は3,610人です。
なお、この調査では、年代の表記に「団塊世代」や「バブル世代」という世代の名称を使っています。
テキスト中では、実年齢を併記しますが、記事末の一覧表もご参照ください。
57歳から上は「紙媒体」が情報源
このアンケートは、インターネット利用に慣れた方が回答しているので、インターネットで決済をしたことがある人は90%を超えています。
71歳~79歳の「キネマ世代」でも、インターネット決済をしたことがある人が84.7%いるので、インターネット決済は当然の前提となったと言えるでしょう。
また、回答者の興味の対象である旅行についても、インターネットで予約している人が60%を超えています。
ただし、71歳~79歳の「キネマ世代」では、さすがに50%を切っています。
買い物をする際の情報源は、46歳~56歳までの「バブル世代」まではインターネットが、57歳~65歳の「ポスト団塊世代」から上は紙媒体が1位となっています。
最終的に購入するのはインターネットでも、頼る情報源には世代の差が表れています。
インターネットでの情報収集について、もう少し詳しく見ましょう。
46歳~56歳までの「バブル世代」から下は、「口コミやSNS、ブログなども活用」しています。
しかし、57歳~65歳の「ポスト団塊世代」から上は「検索で出てきたページだけを見る」人の割合が高くなってきます。
インターネット利用に慣れた人同士でも、世代による使いこなしの差があることがわかります。
やはり、57歳あたりが、インターネット利用のスキルについての分かれ目になっているようです。
SNSの利用で分かる若年層との違い
年代別の違いでは、もう1つの分かれ目があります。
それは「SNSの利用」です。
下のグラフは「SNSを使っていない人」の割合です。
さきほどと同じように、46歳~56歳までの「バブル世代」と57歳~65歳の「ポスト団塊世代」の間では差があります。
そして、もう1つ、28歳~35歳の「プレゆとり」と、36歳~40歳の「ポスト団塊Jr.」との間でも、SNSの利用には差があります。
つまり、インターネットの利用については、35歳以下が「SNS中心」、36歳~56歳が「ブログや検索の活用」、57歳以上が「検索一発と決済」という、利用スタイルの差があるようです。
使用機器で言えば、35歳以下がスマホ中心、36歳~56歳がパソコン+スマホ、57歳以上がパソコン中心と推測されます。
では、SNSはどのように利用されているのでしょう。
旅行先での使い方を見てみましょう。
SNSに慣れている世代では、単に「SNSを利用して家族や友人とコミュニケーションをとる」だけではなく、「SNSを利用して、自分の体験を旅行先から発信する」人が多くなっています。
以前のように、旅行から帰ってから、デジカメの写真をまとめてブログやWebに旅行記を上げるというスタイルではなく、スマホとSNSでリアルタイムにコミュニケーションを楽しんでいる様子がうかがえます。