検索スキルとSNS利用で分かるインターネット利用の世代差

[2016/5/11 00:00]

インターネット慣れしている人でもある世代の違い

JTB総合研究所が、世代別のインターネット利用について、面白い調査結果を発表しています。

調査対象は、過去1年以内に1回以上、宿泊を伴う旅行をしたことがある人で、調査方法はインターネットアンケートです。

つまり、旅行に興味があって、インターネット利用に慣れた人を対象にしています。

対象地域は東名阪(首都圏、名古屋圏、大阪圏)在住者で、回答者は3,610人です。

なお、この調査では、年代の表記に「団塊世代」や「バブル世代」という世代の名称を使っています。

テキスト中では、実年齢を併記しますが、記事末の一覧表もご参照ください。

57歳から上は「紙媒体」が情報源

このアンケートは、インターネット利用に慣れた方が回答しているので、インターネットで決済をしたことがある人は90%を超えています。

71歳~79歳の「キネマ世代」でも、インターネット決済をしたことがある人が84.7%いるので、インターネット決済は当然の前提となったと言えるでしょう。

インターネットでの決済をしたことがある人の率

また、回答者の興味の対象である旅行についても、インターネットで予約している人が60%を超えています。

ただし、71歳~79歳の「キネマ世代」では、さすがに50%を切っています。

ツアーやホテルの予約をした場所

買い物をする際の情報源は、46歳~56歳までの「バブル世代」まではインターネットが、57歳~65歳の「ポスト団塊世代」から上は紙媒体が1位となっています。

最終的に購入するのはインターネットでも、頼る情報源には世代の差が表れています。

買い物のきっかけとなる情報源

インターネットでの情報収集について、もう少し詳しく見ましょう。

46歳~56歳までの「バブル世代」から下は、「口コミやSNS、ブログなども活用」しています。

しかし、57歳~65歳の「ポスト団塊世代」から上は「検索で出てきたページだけを見る」人の割合が高くなってきます。

インターネット利用に慣れた人同士でも、世代による使いこなしの差があることがわかります。

やはり、57歳あたりが、インターネット利用のスキルについての分かれ目になっているようです。

ネットでの情報収集方法

SNSの利用で分かる若年層との違い

年代別の違いでは、もう1つの分かれ目があります。

それは「SNSの利用」です。

下のグラフは「SNSを使っていない人」の割合です。

さきほどと同じように、46歳~56歳までの「バブル世代」と57歳~65歳の「ポスト団塊世代」の間では差があります。

そして、もう1つ、28歳~35歳の「プレゆとり」と、36歳~40歳の「ポスト団塊Jr.」との間でも、SNSの利用には差があります。

つまり、インターネットの利用については、35歳以下が「SNS中心」、36歳~56歳が「ブログや検索の活用」、57歳以上が「検索一発と決済」という、利用スタイルの差があるようです。

使用機器で言えば、35歳以下がスマホ中心、36歳~56歳がパソコン+スマホ、57歳以上がパソコン中心と推測されます。

SNSを利用していない人の率

では、SNSはどのように利用されているのでしょう。

旅行先での使い方を見てみましょう。

SNSに慣れている世代では、単に「SNSを利用して家族や友人とコミュニケーションをとる」だけではなく、「SNSを利用して、自分の体験を旅行先から発信する」人が多くなっています。

以前のように、旅行から帰ってから、デジカメの写真をまとめてブログやWebに旅行記を上げるというスタイルではなく、スマホとSNSでリアルタイムにコミュニケーションを楽しんでいる様子がうかがえます。

旅先でのSNSの利用方法

世代表記一覧表

調査で使われている世代表記
[シニアガイド編集部]