平成28年熊本地震から約3週間で、地震保険の保険金はいくら支払われたか
阪神・淡路大震災に迫る熊本地震の地震保険金
この度の平成28年熊本地震により、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
日本損害保険協会は、5月9日時点における、熊本地震における地震保険の保険金の支払件数と支払金額を公開しました。
支払件数は40,342件で、支払金額は609億9,362万円となっています。
これは、過去で最大だった東日本大震災の支払金額1兆2,654億円には及びませんが、2番目に多かった阪神・淡路大震災の783億円に迫るものです。
熊本地震において、地震保険に関する問い合わせ件数は151,518件です。
そのうち、調査が完了しているのは45,475件でした。問い合わせの3分の1程度ですが、被害の調査に至らない問い合わせがあることも考えれば充分な実績でしょう。
支払件数は40,342件なので、調査した件数の約90%は支払いが終わっています。
熊本地震のような大きな震災であっても、約3週間ほどで、問い合わせの3分の1程度は調査が終了し、調査が終わったうちの約90%は保険金が支払われていることになります。
なお、支払い1件当たりの金額は約151万円でした。
地震保険の被害判定の仕組み
地震や津波などによる被害をカバーするためには、火災保険とセットになっている地震保険に加入する必要があります。
地震によって家や財産が被害を受けたときに、一般の火災保険や損害保険は保障してくれません。これらの保険では、免責事項によって、天災による被害は保証の対象外としているからです。
地震保険には、いくつかの特徴がありますが、その1つが独自の被害判定です。
- 建物の被害判定は「全損」「半損」「一部損」の3段階で行なう
- それぞれ、保険金額の100%、50%、5%が支払われる
地震保険では、保険金の支払いをすみやかに行なうために、被害判定と保険金額を簡単なシステムにしているのです。
さらに、今回の熊本地震では、被害判定を自己申告制にするなど、支払いを早めるための対策が行なわれています。
地震保険に加入している方は、保険証などの書類がなくても、電話窓口での確認が可能ですから、早めに問い合わせをして被害判定を受けましょう。