40代と50代の未婚者の約20%は異性との交際経験がない
40代と50代の独身者に対する調査
三菱グループ系の公益財団法人 ダイヤ高齢社会研究財団が、「未婚ミドルの過去・現在・将来」という名称で、40代と50代の未婚者の生活と意識に関するアンケート調査結果を公開しています。
アンケートのサンプル数は、未婚者3,000人、既婚者1,000人で、男女比や年齢比は国勢調査の比率に合わせて調整されています。
20%以上の人は、異性との交際経験がない
「これまで交際した恋人の人数」という質問では、交際した人数の平均は男性が2.9人、女性が3.1人でした。
これは、既婚の男女とあまり差がありません。
しかし、男女とも20%以上の人が「0人」と回答しており、これまで異性との交際経験がまったくないことがわかります。
交際しなかった理由は「苦手」「面倒だ」「出会いがなかった」
過去に恋人の数が0人だった人に「交際が未経験の理由」を質問しています。
男女で多少の差はありますが、次のような理由が挙がっています。
- 特に理由はない
- 異性との交際が苦手
- 異性との交際は相手に時間や行動を縛られたりして面倒だ
- 交際したい人に出会えなかった
年齢を重ねると結婚を希望する人は減っていく
現在と30歳当時の「結婚に関する気持ち」を質問しています。
男性は、30歳当時では50%以上の人が、「できるだけ早く結婚したい」または「いずれは結婚したい」と回答しており、結婚に前向きでした。
しかし、40代では35%に、50代では18%に減ります。
女性も同様で、30歳当時では47%の人が結婚に前向きでしたが、40代では25%、50代では12%に減ります。
40代に入ってから、結婚に前向きになる人もいる
30代では「どちらともいえない」や「結婚したくない」と回答していた人の一部は、40代になってから「結婚に前向き」に気持ちが変わっています。
報告書では「ミドルになって結婚を前向きに考えだした人の婚活をサポートすることも、必要ではないか」としています。
結婚相手の条件は「性格」と「相性」
「結婚相手の条件」という質問では、男女とも「性格」と「相性」が重視されています。
しかし、女性では「経済力」という回答も多く、「相性」を上回っています。
年代ごとの差が大きい条件もあります。例えば、「健康」は年代が高いほど重視されます。
逆に「容姿」は年代が高いほど、重視されなくなります。
独身のデメリットは経済面
「独身のデメリット(短所)」を質問しています。
これは、同じ質問を既婚者にもしていて、独身者自身が思っているデメリットと、既婚者から見た独身者のデメリットを比較することができます。
独身者がデメリットとして挙げているのは「病気になったときが不安」でした。
既婚者から見るとデメリットに見える「日常生活が寂しい」や「子供が持てない」をデメリットとして挙げている独身者は多くありません。
逆に、「老後の経済面が不安」と「配偶者の収入があてにできない」は既婚者よりも独身者自身がデメリットとして挙げる人が多く、既婚者からは見えにくい不安要素です。
特に女性の独身者は経済面をデメリットとして挙げている人が男性よりも多く、老後への不安が感じられます。
40代50代の単身者は単身高齢者の予備軍
国の人口統計によれば、50歳まで未婚ならば、生涯結婚しない確率は高く、「50歳までに未婚だった人の比率」を「生涯未婚率」としています。つまり、40代と50代の未婚者は将来の単身高齢者の予備軍でもあります。
「老後の生活を考えたときに不安に思うこと」という質問では「生活費の不足」という回答が多くなっています。
また、「健康的な生活ができないこと」「寝たきり等の場合の介護・認知症」が挙げられています。
老後資金の準備や、健康の維持は、独身者と既婚者を問わずに必要な老後の準備ですが、とくに独身者の場合は配偶者という協力者がいない分、自分自身での準備が必要でしょう。