65歳以上のみの「高齢者世帯」の年収は297万円
高齢者世帯が増加
厚生労働省が、「国民生活基礎調査 平成27年版」を公開しています。
この調査は、国民がどのような家族形態で、どのような暮らしをしているかを調べるもので、厚労省の政策の基礎となります。
今回の調査では、世帯状況は4万6千世帯、所得は6,706世帯から有効回答を得ています。
ここでは、調査結果の中から「高齢者世帯」について見ていきましょう。
「高齢者世帯」とは、65歳以上の人のみ、またはこれに18歳未満の未婚の人が加わった世帯を指す言葉です。
高齢者世帯は、増え続けており、2015年6月の調査時点では1,271万世帯になりました。
すべての世帯の総数が5,036万世帯ですから、高齢者世帯はそのうちの25.2%にあたります。
つまり、すべての世帯の4分の1が「高齢者世帯」となっています。
高齢者世帯の半分は「単独世帯」
高齢者世帯の内訳を見ると、一人で暮らしている「単独世帯」が49.1%、「夫婦のみの世帯」が47.2%で、ほぼ半分ずつとなっています。
単独世帯の場合、その68%は女性の一人暮らしです。
男性に比べて、高齢の一人暮らしが多いのも特徴です。
高齢者世帯の収入は297万円
高齢者世帯の年収は297.3万円でした。
これは、全世帯の平均年収である「541.9万円」の約55%にあたります。
だいたい現役時代の半分ぐらいに収入が減ると思えば良いでしょう。
なお、公的年金や恩給を受給している世帯の55%は、年金と恩給以外の収入がない状況です。
60代に入る前に、貯金や確定拠出年金などの手段で、老後の準備をしておく必要があることが分かります。
高齢者世帯の58%は「生活が苦しい」
高齢者世帯の家計の状況については、「普通」が39%で、一番多い回答となっています。
しかし、「大変苦しい」と「やや苦しい」を合わせた率は58%なので、多少なりと、家計が苦しいと感じている世帯が半数を超えます。
「ややゆとりがある」と「大変ゆとりがある」の合計は2.8%しかなく、生活にゆとりがある世帯は少数であることがわかります。
高齢者世帯以外の高齢者は子どもと暮らしている
最後に、「高齢者世帯ではない高齢者」について見てみましょう。
65歳以上の高齢者については、「子どもと暮らしている」人が39%います。
また、「その他の親族と同居している」人が4%います。
つまり、高齢者だけで暮らしていない場合の、ほとんどは子供と同居していることがわかります。
なお、75歳以上に限ってみると、「夫婦のみの世帯」が減り、「単独世帯」と「子供夫婦と同居」が増えています。
つまり、夫婦のどちらかが先立った場合は、一人暮らしになるか、子供夫婦と同居するのいずれかになることが推測されます。