初めて迎えるお盆「新盆」の知識とマナー

[2016/7/20 00:00]

新盆に関する基礎知識

故人が亡くなって初めて迎えるお盆を「新盆(しんぼん、にいぼん、あらぼん)」と言います。

新盆は、いつものお盆と異なり、独特の決まりごとがあります。

ここでは、メモリアルアートの大野屋に寄せられた質問を基に、新盆に関する注意事項をまとめました。

四十九日前は新盆ではない

新盆とは、一般的に故人の四十九日忌を終えて、初めて迎えるお盆のことを言います。四十九日忌がまだの場合は翌年が新盆になります。

新盆では丁寧に行事を行なう

新盆には、故人の霊が初めて家に戻ってこられるので、故人の好きだったものをお供えしたり、僧侶を迎えて読経していただいたりなど、通常のお盆よりも丁寧にお迎えします。

親戚や、故人に縁のあった方がお参りに来られることもありますので、通常のお盆より少し早めに提灯などのお盆用品の準備を始められることをお勧めします。

お盆の供物の例

新盆には専用の白提灯を使う

新盆に限り、清浄無垢の白で祖霊を迎える意味から、白木で作られた提灯を飾ります。軒先、縁側、仏壇の前などに吊るして火を灯し、その灯りによって祖霊が迷うことなく家までたどり着く、という意味がこめられています。

この白提灯は、新盆のみに使用するものなので、新盆が終わったら処分します。以前は、自宅の庭でお焚き上げしたり、川に流したり、菩提寺に持っていき供養してもらいましたが、最近では提灯を自宅で燃やすのは難しくなっていますので、紙などに包んで処分することが多くなっています。

新盆用の白提灯。白木で作られた「白紋天(しろもんてん)」という製品

実家で新盆があるときの準備

夏休みで帰省する際に、実家で新盆があるときには、ご仏前として1人5千円~1万円程度を包み、お供えとして故人の好物などを持参します。

地域によって、「盆礼」「盆歳暮」「盆立て」と言って、他家に嫁いだ娘が実家に素麺(そうめん)やうどん等をもって尋ねる習慣や、絵柄提灯を送る習慣があるので、事前に実家に確認しておきましょう。

新盆にいただいた供物などへのお返し

親戚などから供物やご仏前など、ご供養の気持ちをいただいた場合は、お返しをするのが一般的です。

自宅にお越しいただいた際に返礼品を渡していない場合、その方へもお返しを準備したほうがよいでしょう。金額は「半返し」か「1/3返し」が目安です。すぐにお返ししても、1週間程度経ってからでも問題ありません。

[シニアガイド編集部]