医療費控除の申告で使用した「医療費の領収書」のコピーを税務署から貰う方法

[2016/8/2 01:14]

【お知らせ】2017年分の確定申告から、医療費控除を受ける際に領収書を添付する必要が無くなりました。くわしくは、こちらの記事を参照してください。

医療費の領収書は手元に残しておこう

大きなケガや病気で、高額な医療費がかかった際に、その一部を取り戻す方法の1つに「医療費控除」があります。

その年に家族でかかった医療費の総額が10万円、または総所得額が200万円未満の人はその5%を越えていると、確定申告を行なうことで所得税が下がり、還付金が戻ってきます。

確定申告をしておけば、住民税についても医療費控除の手続きが行なわれて、税金が安くなります。

この医療費控除の申告を行なう際には、確定申告書に“医療費の領収書の原本”を添えて提出します。コピーでは受け付けてくれません。

しかし、医療費の領収書は、民間の生命保険の保険金申請や、障害年金の申請などで、あとで必要になることがあります。

そのため、確定申告の際に、自分の住所を書いて必要な切手を貼った専用の封筒を添付しておき、「返却希望」と明記すると、税務署が領収書を確認したあとで返却してもらえます。

また、「e-tax」という電子申告システムを利用する場合は、医療費の金額だけをデータで送り、領収書を添付する必要がないので、手元に領収書を残すことができます。ただし、この場合は「5年間の保存」が義務となります。

大きなケガや病気で治療期間が長くなった場合は、あとで医療機関の領収書が必要になる場合があります。

上記の2つの方法を使って、手元に領収書の原本を残しておきましょう。

医療費控除の申告の際には、領収書を封筒に入れて一緒に提出する

税務署から領収書のコピーを貰う方法

では、すでに税務署に渡してしまった医療費の領収書が必要になった場合はどうすれば良いのでしょう。

この場合は、税務署に対して「個人情報の開示請求等の手続」という手続きを行ないます。

実は、医療費の領収書は、税務署に提出した時点で「行政機関が保有する個人情報を含む書類」になってしまいます。

そうなると、自分の提出した書類とはいえ、コピーを貰うことさえ手続きが必要なのです。

注意事項を箇条書きにしてみましょう。

  • 手続きをした、その日に開示されるわけではない
  • 書類の保存は、原則として1年間
  • 普通に手続きすると税務署に2回行く必要がある
  • 必要な書類が特定できることが必要(例:「平成27年分 医療費控除関係領収書」)
  • 開示される書類はコピーで、原本ではない
  • 身分証明のために運転免許証か健康保険証を持っていく

簡単に手順を追ってみましょう。

  1. 税務署に行って次の3つを行います。「開示請求書」という書類を書く。運転免許証か健康保険証で本人であることを確認してもらう。1件につき300円の手数料を払う
  2. 開示決定通知書と開示実施申出書の郵送を待つ。原則として30日以内に送付されてくる
  3. 本人が開示実施申告書を持参し、書類の開示を受ける。郵送から30日以内に行なうこと

開示された書類を郵送してもらうこともできますが、その場合は「開示実施申告書」を郵送し、本人確認を受け、郵送を待つという手順になるので、あまりお勧めできません。本人確認があるので、運転免許証か健康保険証を持って、自分で足を運んだ方が確実です。

なお、申請をしてから「開示決定通知書」が来るまで、30日以内となっていますが、普通は1週間ぐらいです。

実際にやってみるとわかりますが、税務署員が親切に案内してくれても、面倒な手続きであることは間違いありません。どうしても必要なときに使う最後の手段と言えるでしょう。

ここまで読んでいただくとお分かりのように、医療費控除の申告時に領収書の原本を返却してもらうほうがずっと簡単です。今年分を申告するときは、忘れずに領収書を返却してもらうように気をつけましょう。

[シニアガイド編集部]