老後に不安を感じている人は6割。20代でも5割以上

[2016/9/17 00:00]

「老後に不安を感じている人は6割に達している」というアンケート結果が出ています。

これは、日本生命保険相互会社が、自社の会員組織を対象にして行なったアンケートによるものです。

アンケートには、20代から70代の10,271人が回答しています。

20代でも5割以上が「不安」

「老後に不安を感じますか」という質問に対して、全世代を通じて「59.2%」の人が「不安を感じる」と回答しています。

不安を感じている人がもっとも多いのは、40代の「63.3%」ですが、年齢が若い20代でも「51.4%」が不安を感じています。

「不安を感じていない」という回答は「10.2%」で、「どちらともいえない」が「30.7%」でした。

「老後に不安を感じますか」 n=9,681

不安を感じる理由は「資金」

「老後に不安を感じる」と回答した人に「主に不安に感じることは何ですか」と、不安の理由を聞いています。

もっとも多いのは「老後の資金」で8割近くの人が挙げています。

次は「病気・ケガ」で5割の人が挙げています。

以下、「年金制度の今後」「自分自身の介護」「親の介護」が挙がっています。

「老後に対する不安の理由」 n=5,729

夫婦2人の生活費は「30~34万円」を想定

では、老後の生活には、どれぐらいの資金がかかると想定しているのでしょう。

「ゆとりある老後生活に必要な1カ月あたりの生活費はいくらぐらいだと思いますか」と聞いています。

「夫婦2人」の場合は、「30~34万円」が一番多く、「35万円以上」「20~24万円」が続きます。

質問文に「ゆとりある」という言葉があるため、比較的高めに見積もっている回答が多いようです。

「夫婦2人のゆとりある老後生活に必要な金額」 n=8,160

「単身」の場合は、「20~24万円」が一番多く、「15~19万円」「15万円未満」が続きます。

「単身のゆとりある老後生活に必要な金額」 n=6,975

65歳以上まで働きたい人が4割を超える

実際に支給されている、1人当たりの国民年金の平均月額は5万4千円、厚生年金は14万8千円です。

ゆとりある老後生活のためには、年金だけでは資金が足りません。働いて収入を得るか、資産を取り崩す必要があります。

まず、「老後の生活のために何歳まで働き続けたいですか」と聞いています。

一番多い回答は「60~64歳」で、「40.7%」でした。

しかし、「65~69歳」「70~74歳」「75歳以上」の3つを合わせた、「65歳以上まで働きたい」人は「43.9%」になります。

また、60代になると「70歳以上まで働きたい」という人が増え始め、70代になると「75歳以上」が25%に達します。

「何歳まで働きたいか」 n=9,474

金融資産は「500万円未満」の人が5割以上

「現在のご自身の金融資産はいくらくらいですか」という質問では、「500万円未満」という人が5割を超えています。

「100万円未満」という人も2割を超えており、なかなかお金を貯めて資産を作るのは難しいことがわかります。

一方で、60代の4人に1人、70代の5人に1人は「3,000万円以上」の資産を持っています。

「自分自身の金融資産額」 n=9,299

老後に不安を感じない理由は「十分な貯蓄」

いろいろな数字を見れば見るほど、老後に対する不安がつのるばかりです。

では、さきほどの「老後に不安を感じますか」という質問に、「不安を感じない」と回答している人は、どうして不安を感じていないのでしょうか。

一番多いのは「十分な貯蓄があるため」でした。やはり、手元にお金があるのは安心感につながるようです。

次は「健康維持に努力しているため」で、体が健康であれば、働くこともできて、病気などによるお金もかからないということでしょう。

以下、「個人年金保険を積み立てているため」「相談できる(頼れる)家族がいるため」「老後のプランをしっかり立てているため」が続きます。

まず、「お金」、そして「健康」と「家族」いうのが一応の結論のようです。

また、「個人年金保険」に見られるように、行き当たりばったりではなく、計画性をもって老後の準備をすることも安心感につながっていると言えるでしょう。

「老後に不安を感じていない理由」 n=984
[シニアガイド編集部]