しわ取り注射で1,300万円も!! 60歳以上の女性向け美容医療のトラブルが高額化

[2016/9/18 00:00]
しわ取り注射のイメージ

国民生活センターが、「60歳以上の女性の美容医療トラブルが高額化している」と警告を発しています。

相談事例の中には、「しわ取り注射で1,300万円も請求された」例もありました。

国民生活センターでは、高額請求に至った事例の問題点を整理し、4項目の「消費者へのアドバイス」を公開しています。

1,000万円以上の請求例も

国民生活センターへの相談事例では、「即日施術」「高額請求」「ずさんな対応」などの特徴があります。

  • しわ伸ばしのためにクリニックに行ったら即日施術され、約1,300万円を請求された
  • 相談のつもりで訪れたクリニックでしつこく勧誘され、帰るために即日施術をしてしまった
  • クリニックでリフトアップの注射をした。一部支払ったが、効果の説明や高額な請求に納得がいかない
  • 目の下のたるみを取る注射をしたが、5年間保証なのに全く効果がなく、対応もされない
  • 腹部の脂肪溶解注射を勧められ、当日に施術したが、対応がずさんで高額すぎる。効果も感じられず解約したい
  • クリニックで口の周りのしわを取る施術を受けたが、腫れがひかない。ずさんな施術なのに高額な支払いに納得ができない

請求金額については、毎年、増加の傾向があり、2015年には、60歳以上の請求額は平均で126万円に達しています。

60歳以上の相談例。2015年度の契約購入金額は平均70万円、そのうち60歳以上は平均126万円。毎年、購入金額が増えている 出典:国民生活センター

相談事例からみられる問題点

とくに、折り込み広告をきっかけにクリニックを訪れた消費者に対して強く迫ることで施術に至る例や、医師ではないスタッフが施術を行なう例が目立ちます。

  • きっかけは「折り込み広告」
  • 医師でないクリニックのスタッフが医療行為をしている可能性も
  • 効果を強調するが、根拠は不明確、即日施術を迫るケースも
  • 料金体系が不透明、支払える金額によって料金が変わる
  • 苦情が申し立てにくい、「異議申し立てしない」という誓約書に署名させられている

消費者へのアドバイス

国民生活センターでは、次の4項目のアドバイスを行なっています。

  • リスクなく簡単にきれいになれるとうたう広告を、うのみにしないようにしましょう
  • 医師の担当する範囲や施術の流れを十分に確認しましょう
  • 想定した金額より高額な料金を提示された場合には、契約しないことを伝えましょう。特に、希望しない即日施術ははっきり断りましょう
  • やむなく高額な契約をしてトラブルとなった場合等には、消費生活センターに相談しましょう

美容医療は、自分が納得できることが一番大事

自由診療が中心である美容医療では、施術費用は個々のクリニックで自由に設定できます。

しかし、医療法では自由診療の施術において標準的費用を記載しなければいけません。

また、虚偽広告や誇大広告、客観的事実であることを証明することができない内容の広告は禁止されています。

美容医療は病気の治療と異なり、本人がなりたい姿を実現するための施術であることから、医師による十分な説明のもと、本人が納得して施術に同意することがより重要になります。

トラブルに遭わずに、自分が納得できる施術を受けられるように、上記の例を参考にして怪しい業者を避けるように心がけましょう。

[シニアガイド編集部]