65歳以上の高齢者世帯の支出は約25万円。平均よりも3万円以上少ない
高齢者世帯の、1カ月の支出額は約25万円
世帯主が65歳以上で2人以上で構成された「高齢者世帯」の1カ月の支出額は「253,786円」で、2人以上の世帯の平均の「287,373円」よりも3万円以上少ないことがわかりました。
これは、総務省が「敬老の日」にまとめた資料に掲載されました。
なお、世帯主が65歳未満の現役世帯では、1カ月の支出額は「310,584円」でした。
高齢者世帯は「保険医療費」への支出が増える
支出の分野別に、家計に占める割合を見ると、高齢者世帯は「保険医療費」の支出が多く、一般的な世帯の1.34倍も使っています。
絶対額で見ても、高齢者世帯では月に「15,057円」使っており、全世帯平均の「12,663円」よりも多くなっています。医療費や医薬品、健康食品などへの支出がかさんでいるようです。
なお、高齢者世帯では「光熱費」が家計に占める割合も1.11倍と多めになっていますが、絶対額でみると、平均よりも少なくなっています。高齢者世帯では、1カ月の支出が少なくなっても、光熱費を削ることができないため割合が高くなっているようです。
また、「交際費」も1.42倍と多くなっています。これは、世帯が分かれている子や孫などへの支出が交際費として計上されているためでしょう。
余談ですが、「世帯主が65歳未満の世帯」では、「教育費」が1.5倍、「交通・通信」が1.11倍となっており、子供の教育関係の負担が大きいことがわかります。
年金だけでは、月に25万円も使えない
今回の調査結果でも、高齢者世帯は支出額が減ったうえに、保険医療費などがかさんで、やりくりが大変なことがわかります。
しかし、収入が年金だけの場合、平均支給額は国民年金が5万4千円、厚生年金が14万8千円で、今回の調査のように25万円の支出を確保することはできません。
65歳以上でも働き続ける道を確保するか、国民年金や厚生年金に上乗せする確定拠出年金や預金などで、老後の支出を支える現金を用意しましょう。