病院などからの遺体搬送と一時安置を無料で行なう「お迎えフリー」
遺体搬送と一時安置を無料で行なうサービス
インターネットでお坊さんを手配できる「お坊さん便」を運営する「みんれび」は、病院等からの遺体搬送と一時安置を無料で行なう「お迎えフリー」サービスを全国で開始しました。
「お迎えフリー」は、遺体搬送と一時安置を行なうことで、遺族が葬儀について考える時間を持つことを目的とした新しいサービスです。
「お迎えフリー」では、遺体の搬送先は、みんれびが提携する葬儀社の一時安置場所あるいはご自宅(いずれもお迎え場所から50km圏内)としています。
そして、一時安置している24時間以内に、みんれびの葬祭サービス「シンプルなお葬式」のプランにするか、他の葬儀社にするかを遺族に検討してもらいます。他の葬儀社に発注する場合でも、24時間以内にご連絡すれば、搬送や一時安置費用は無料となります。
実際の搬送と一時安置は、提携している約540社の葬儀社の中から、お迎え場所から近い葬儀社の空き状況を確認して、みんれびが手配します。
「お迎えフリー」の流れ
- 申込み
- 電話、メール、ホームページから、24時間365日申込みを受付
- お迎え
- みんれびが手配する提携葬儀社が病院や警察などに迎えにくる
- 遺体の搬送
- 提携葬儀社の安置所、または50km圏内であれば自宅へ搬送する
- 一時安置
- 安置場所にご遺体搬送が完了し、一時安置する
- サービス説明
- 「シンプルなお葬式」各プランの内容や価格などの説明を行なう
- 葬儀の検討
- 「お迎えフリー」サービス受付時から24時間以内に「シンプルなお葬式」に依頼するか否かを検討する。24時間を越えて安置を延長し、葬儀の検討をしたいという方は有料(16,200円/24時間)にて延長が可能
- みんれびに連絡
- 「シンプルなお葬式」へのご依頼、あるいは依頼しない旨の連絡を行なう。「シンプルなお葬式」に依頼する場合は次の手続きに進む。
「お迎えフリー」登場の背景
みんれびでは、「お迎えフリー」を開始した背景として、3つの理由を挙げています。
- 死亡してから、遺体搬送までの時間が短いので、まず受け入れられる場所を提供したい。
現在では、多くの方が病院で息を引き取られます。しかし、病院の霊安室のスペースが限られているため、数時間程度で遺体を搬送しなければなりません。また、自宅へ搬送できない場合も多いため、安置場所も含めて準備が必要となります。 - 「搬送=葬儀社決定」という思い込みを変えたい。
多くの方が、遺体搬送を葬儀社に依頼しますが、搬送を依頼すると、そのまま同じ葬儀社に葬儀を依頼するものであると考える人が多く、実質的に葬儀社が決まってしまいます。搬送と安置のみを依頼することができれば、一般葬や一日葬、火葬式など、どんなお葬式にするかを考える時間が生まれ、それに応じた葬儀社に発注できます。 - 葬儀トラブルを減らしたい。
国民生活センターに寄せられる葬儀に関するトラブルの相談は、年間700件を越えています。急いで搬送を依頼しなければならないことが、トラブルの原因となっています。「お迎えフリー」を利用することで、葬儀社の説明や見積もりを落ち着いて聞いて、考える時間ができます。
家族を亡くしたばかりの遺族と面識ができることは大きい
実際に、家族が病院で亡くなると、いったん霊安室に運ばれますが、数時間から長くても半日程度で病院外に搬送することを求められます。
病院に相談すると、私立病院の場合は出入りしている指定の葬儀社が紹介されることが多く、公立病院では近隣の葬儀社のリストを渡されることが多いようです。
いずれにしても、遺族は、ほとんど情報のない状態で葬儀社を選択し、搬送を依頼しなければなりません。
多くの場合、搬送を依頼した葬儀社に、そのまま葬儀を依頼することが多いため、大きな私立病院では葬儀社のスタッフが常駐している例もあります。スタッフを常駐させる人件費や経費を投資しても、家族を亡くしたばかりの遺族と面識ができることで、それだけの見返りが期待できるわけです。
みんれびの「お迎えフリー」も、搬送と一時安置の費用を無料とすることと引き換えに、遺族との連絡方法が確保でき、自社の「シンプルなお葬式」プランを説明する機会ができます。そのまま葬儀を請け負う可能性も高いでしょう。
最終的に他の葬儀社に乗り換えられてしまい、搬送料などが持ち出しになるリスクがありますが、有効な集客手段と言えるでしょう。
「お迎えフリー」を利用することを検討するときは、そのまま葬儀も発注する可能性があることを考慮して、「シンプルなお葬式」の各プランにも目を通しておくことをお勧めします。