実際に葬儀にかかった平均金額は「184万円」。2年前より大きく下がる

[2016/10/18 00:01]

お葬式にかかる金額の実態

自分や家族のお葬式に、どれぐらいのお金を用意しておけば良いのかというのは難しい問題です。

1つの手がかりとして、実際に葬儀を行なった人が、どれぐらいお金を使ったのかを見てみましょう。

データは、全労済協会が公開している「共済・保険に関する意識調査結果報告書 2014年」という世論調査から引用しています。グラフは編集部が作成しました。

葬儀の平均費用は「184万円」

調査の回答者は4,036人ですが、そのうち葬儀を行なった人は64人でした。

葬儀費用の平均金額は「184.0万円」でした。

一番多い回答は、「200万円以上300万円未満」で20.3%でした。

2番目は、「50万円以上100万円未満」と「100万円以上150万円未満」が18.8%で続きます。

「150万円未満」で葬儀を行なっている人が半数を越えているのですが、「400万円以上」かける人も7%いるので、平均金額が高くなっています。

実際に葬儀にかかった費用 (n=64)

2012年に比べると、金額が下がっている

2年前の2012年に行なわれた同じ調査に比べると、葬儀費用は下がっています。

2012年の平均金額は「218.5万円」でした。2014年の「184.0万円」より、30万円以上も高かったことになります。

2012年から2014年への変化を見ると、「150~200万円未満」が減り、「50万円未満」が増えています。

これは、火葬だけで宗教儀式を行なわない「直葬(じきそう)」が増えている影響でしょう。直葬の場合は、20万円~30万円前後で葬儀を行なうことができます。

また、葬儀費用が「150万円未満」の人は、2012年は30%程でしたが、2014年は50%を越えました。全体的に、葬儀にお金をかけなくなってきている傾向が分かります。

2012年と2014年の葬儀費用の変化

思っていた以上にお金が掛かる傾向がある

葬儀を行なった人に伺うと「思っていた以上にお金がかかった」という感想を述べられることがあります。

この調査では、「これぐらい掛かるだろう」と思っている金額も聞いていますので、実際にかかった金額と比較してみましょう。データは2014年のものです。

想定されている葬儀費用の平均は「138.3万円」でした。実際にかかった葬儀費用は「184.0万円」ですから、50万円ぐらい下に見積もっていることが分かります。

想定よりも、実際の金額が多くなっているのは、「200~300万円未満」でした。この金額になると想定している人は13%しかいなかったのに、実際にこの金額になった人は20%います。

各項目の増減を見てみると、自分の想定では「150万円~200万円未満」で収めるつもりだったのが、実際に葬儀を行なってみると、「200万円~300万円未満」になっている様子がうかがえます。

直葬よりも1つ上のランクである、「50万円~200万円未満」で、一般的な葬儀を行なおうとすると、想像していたよりも費用が膨らみやすいようです。

想定して葬儀費用と、実際にかかった費用の比較

葬儀費用は安くなってきているが、想像しているよりもお金がかかりやすい

全労済協会が行なっているこの調査は、全国の人口比率に合わせてサンプル数が調整されています。

したがって、地域差は反映されにくいのですが、葬儀/葬祭に関する事柄は、地域による慣習の違いが大きく、金額も異なってきます。

それでも、次の2つの傾向があるとは言えるでしょう。

  • 葬儀の費用については、低価格化が進んでいる
  • 想定していた金額に比べると、実際の葬儀費用は高くなる傾向がある

自分や家族の終活に向けて、葬儀費用を準備する場合は、そういう傾向があるということを覚えておくと、失敗しにくいでしょう。

[シニアガイド編集部]