53%の人は「定年後のライフプランや資金計画を何も考えていない」

[2016/10/27 00:00]

老後に備える資産についてのアンケート

法律相談サイトなどを運営する日本法規情報が、「資産運用・形成に関する意識調査」の結果を公開しています。

回答者は、法律相談サイト利用者669人(男性304人、女性365人)です。

図版の出典も日本法規情報です。

定年後の不安の筆頭は「お金」

「定年後に不安に思うことは何ですか」という質問に、41%の人が「お金」と答えています。

2位は「健康」で23%です。

3位以下は、「定年後の想像がつかないこと」「身内の介護」「孤独」が続きます。

老後の不安の筆頭は「お金」

「資産運用が必要」は48%

老後に対して「資産運用・形成の必要性を感じたことがありますか」と聞いています。

48%の人は「必要性を感じたことがある」と答えています。

半分近くの人は、公的年金や貯金だけでは将来の生活資金の確保が難しく、なんらかの資産運用が必要という認識を持っているようです。

資産運用の必要性を感じている人は多い

資産運用の経験者は4人に1人

「あなたは実際に老後に備えて資産運用・形成を実践していますか。またはしたことがありますか」という質問には、さびしい結果が出ています。

実に、73%の人が「資産運用をしていない(したことがない)」と答えています。

「現在している」と答えた人は18%、「過去にしたことがある」と答えた人が9%で、資産運用の経験者は27%にとどまりました。

資産運用をしたことがある人は少ない

資産運用の不安は「知識の不足」

資産運用の必要性はわかっていても実行している人が少ないのはなぜでしょう。

「資産運用についてどのようなことが最も不安ですか」と聞いています。

一番多いのは、「金融に関する知識が無いこと」で33%でした。

2位は「元となる資金が少ないこと」と「元よりも減らしてしまう可能性があること」で、いずれも21%でした。

この3つで、回答全体の4分の3を占めています。

資産運用への不安は3つに絞られる

●「定年後のことを全く考えていない」人が53%

お金も含めて老後に対しての計画を立てている人はどれぐらいいるのでしょう。

「定年後のライフプランや資金計画は考えていますか」と聞いています。

一番多い回答は「全く考えていない」で53%でした。

次は「少し考えている」で40%です。

「すでに計画が立っている」は2%、「具体的に計画中」は5%で、一桁に留まっています。

老後に対して計画を立てている人の方が多い

老後の資金は「年金」と「貯金」

では、老後の資金は何を頼りに考えているでしょう。

「定年後の資金は何で賄おうと考えていますか」という質問では、「年金」が30%、「貯金」が20%で、この2つで半分を占めています。

3位は「定年後も引き続き働いてもらう給与」が18%でした。

老後の資金は「年金」と「貯金」

とりあえずお金を貯めることから始めよう

アンケートの結果をまとめてみましょう。

  • 老後の最大の不安は「お金」
  • 資産運用は必要だと思うが、経験がない
  • 資産運用で不安なのは「知識の不足」
  • 定年後の計画は、あまり立てていない
  • 老後の資金は「年金」と「貯金」に頼る

一言で言えば、「考えなければならないことは分かっているが、手がついていない」という状態です。

まず、次の事実を頭に入れておきましょう。

  • 実際に支払われている年金の平均月額は、国民年金で「5万4千円」、厚生年金は「14万8千円」
  • サラリーマンと専業主婦の組み合わせのモデルで「22万円」
  • 老後に必要な最低日常生活費は月額「22万円」。ゆとりある生活なら「35万円」という調査結果が出ている
  • 年金だけで暮らす60歳以上の無職世帯は毎月4~6万円の赤字

つまり「公的年金」だけではなく資金が足りません。「貯蓄」などの手段が必ず必要です。

資産運用について勉強するとか、老後の資金計画を立てるということは、とても難しいことです。しかし、そこで立ち止まっていると、老後に間に合わなくなります。勉強は後からでも間に合います。

とりあえず、企業年金や確定拠出年金、定期積立など、毎月天引きで資金を貯めることができる手段を利用して、老後のためのお金を貯めることから始めましょう。

[シニアガイド編集部]