年金をもらいながら働き続ける男性は4割。「自営業」なら80歳を過ぎても働ける
年金をもらいながら働いている人の割合
年金関係の本や記事を読んでいると、「年金の金額が少ない場合は、働き続けるという選択肢もある」と書かれていることがあります。
実際に、年金をもらいながら働き続けている人がどれぐらいいるのか、厚労省の「老齢年金受給者実態調査」を調べてみました。
この調査には、年金受給者13,495人が回答しています。
男性の4割は働いている
年金を受給している男性のうち60%は「就業なし」でした。
逆に言えば、年金をもらっている男性のうち40%は、なんらかの形で働いています。
職種をみると、「自営業」と「パート(常勤)」が多く、10%を超えています。
「パート(常勤)」の多くは、定年後の再雇用制度によって、正社員を退職後に働いている人を含んでいると思われます。
3位は「正社員」でした。さすがに年金世代になると、正社員での雇用は少なくなります。
8割近くの女性は働いていない
年金を受給している女性では、「就業なし」が78%に上ります。
年金をもらいながら働いている人は22%です。男性よりも少し少ないことが分かります。
職種では「パート(常勤)」と「自営業」が多く6%台です。
年金世代の働き方が「パート(常勤)」と「自営業」が中心になるのは、男女に共通した傾向です。
90歳を過ぎても働き続けている人がいる
次に、年齢ごとの就業率を見ていいます。
60代後半では、男性の50%以上、女性の30%以上が働いています。
しかし、年齢が高くなると、どこかで引退する時期がきます。
働いている人の減り方を見ていると、70代に入るときが引退の目安のようです。
ただし、「90歳以上」でも、男性の12%、女性の4%は働き続けていますから、生涯現役も不可能ではありません。
自営業は働き続けている人が多い
年齢が高くなっても働き続けている人が多い「男性」を対象にして、職種による違いをグラフにしてみました。
「64歳以下」では、「パート(常勤)」が多いのですが、70歳をすぎるとガクンと減り、80歳代ではほぼいなくなります。
「正社員」も、それに近い減り方で、70歳が1つの区切りになることが分かります。
一方、「自営業」は、年代による変化が少なく80歳を過ぎても10%以上の人が働いています。
自営業については、「年金が老齢基礎年金だけなので金額が少ない」という特徴がありますが、働き続けて収入を得ることで、それを補うことができるという実例でしょう。
「本人に働く気があれば、定年に関係なく、いくつになっても働き続けることができる」という、自営業の、もう1つの特徴が良く表れた結果と言えるでしょう。