単身者の将来の住まいは「賃貸」か「持ち家」か

[2017/6/2 00:00]

首都圏の単身者を対象にしたアンケート

新日鉄興和不動産の調査研究組織「+ONE LIFE LAB(プラス ワンライフ ラボ)」が、住まいに関する意識調査の結果を公開しています。

この調査は、1都3県に住む20~69歳の単身男女3,991名を対象にしたインターネットアンケートです。

なお、記事中のグラフは、調査結果を基に編集部が作成しました。

現在の住まいは賃貸派と持ち家派が競り合う

「現在の住まい」は、「賃貸(アパート・マンション)」が一番多く、4割以上を占めています。

2番目は「持ち家(戸建て)」、3番目は「持ち家(分譲マンション)」でした。

持ち家の「戸建て」と「分譲マンション」を合わせると、こちらも約4割でした。

「賃貸派」と「持ち家派」が、ほぼ4割ずつで並んでいることが分かります。

「持ち家派」は資産価値を、「賃貸派」はリスクを考える

アンケートでは「持ち家派」と「賃貸派」に、それぞれ理由を聞いています。

持ち家派の理由として多いのは、次の3つです。

  1. 家賃の支払いがもったいない
  2. 老後の備え
  3. 資産として持ちたい

つまり、持ち家派は、自宅を「資産」として評価していることが分かります。

一方、賃貸派で多い理由は、次の3つです。

  1. 金銭的に余裕がない。返済に不安がある
  2. 将来のプランが決まっていない
  3. 購入後の資産価値の低下が不安

一番多い理由は現在の金銭状態ですが、将来のライフプランの変化、資産価値の低下などのリスクを理由としていることが分かります。

持ち家を持っている60代は、20代の4倍に増える

しかし、持ち家派と賃貸派の比率は、常に一定ではありません。

年代別にみると、20代の持ち家率は32%ですが、60代では59%です。

年齢が高くなるほど「持ち家率」が高くなることが分かります。

特に、分譲マンションについては、20代では8.7%しか所有していませんが、60代では29%と、3倍以上に増えています。

年齢が高くなるほど「マンション」派が増える

年齢が高くなるほど、マンションの所有率が上がるのは、なぜでしょう。

そのヒントになるのが、「今後持ち家に住みたいと思っている率」です。

内訳を見ると、持ち家として「戸建て」を希望する人は、年代を問わず30%前後で安定しています。

しかし、「分譲マンション」を希望する人は、20代では18%ですが、60代では35%と、ほぼ倍になっています。

つまり、一戸建てが買えないからマンションを買っているのではなく、自分が欲しくてマンションを買っているのです。

これが、どこかで一戸建てを諦めた妥協の結果なのか、マンションならではの利便性に気がついたためなのかは、今回の調査だけでは分かりません。

しかし、年令が高い単身者ほど、マンション派が増えるのは、興味深い結果と言えるでしょう。

[シニアガイド編集部]