単身者の将来の住まいは「賃貸」か「持ち家」か
首都圏の単身者を対象にしたアンケート
新日鉄興和不動産の調査研究組織「+ONE LIFE LAB(プラス ワンライフ ラボ)」が、住まいに関する意識調査の結果を公開しています。
この調査は、1都3県に住む20~69歳の単身男女3,991名を対象にしたインターネットアンケートです。
なお、記事中のグラフは、調査結果を基に編集部が作成しました。
現在の住まいは賃貸派と持ち家派が競り合う
「現在の住まい」は、「賃貸(アパート・マンション)」が一番多く、4割以上を占めています。
2番目は「持ち家(戸建て)」、3番目は「持ち家(分譲マンション)」でした。
持ち家の「戸建て」と「分譲マンション」を合わせると、こちらも約4割でした。
「賃貸派」と「持ち家派」が、ほぼ4割ずつで並んでいることが分かります。
「持ち家派」は資産価値を、「賃貸派」はリスクを考える
アンケートでは「持ち家派」と「賃貸派」に、それぞれ理由を聞いています。
持ち家派の理由として多いのは、次の3つです。
- 家賃の支払いがもったいない
- 老後の備え
- 資産として持ちたい
つまり、持ち家派は、自宅を「資産」として評価していることが分かります。
一方、賃貸派で多い理由は、次の3つです。
- 金銭的に余裕がない。返済に不安がある
- 将来のプランが決まっていない
- 購入後の資産価値の低下が不安
一番多い理由は現在の金銭状態ですが、将来のライフプランの変化、資産価値の低下などのリスクを理由としていることが分かります。
持ち家を持っている60代は、20代の4倍に増える
しかし、持ち家派と賃貸派の比率は、常に一定ではありません。
年代別にみると、20代の持ち家率は32%ですが、60代では59%です。
年齢が高くなるほど「持ち家率」が高くなることが分かります。
特に、分譲マンションについては、20代では8.7%しか所有していませんが、60代では29%と、3倍以上に増えています。
年齢が高くなるほど「マンション」派が増える
年齢が高くなるほど、マンションの所有率が上がるのは、なぜでしょう。
そのヒントになるのが、「今後持ち家に住みたいと思っている率」です。
内訳を見ると、持ち家として「戸建て」を希望する人は、年代を問わず30%前後で安定しています。
しかし、「分譲マンション」を希望する人は、20代では18%ですが、60代では35%と、ほぼ倍になっています。
つまり、一戸建てが買えないからマンションを買っているのではなく、自分が欲しくてマンションを買っているのです。
これが、どこかで一戸建てを諦めた妥協の結果なのか、マンションならではの利便性に気がついたためなのかは、今回の調査だけでは分かりません。
しかし、年令が高い単身者ほど、マンション派が増えるのは、興味深い結果と言えるでしょう。