自分の葬儀に「直葬」を希望する人は22%。家族の葬儀では5%

[2017/6/5 00:00]

伝統仏教による実態調査

公益財団法人 全日本仏教会が、「仏教に関する実態把握調査」の結果を公開しています。

この調査は、20歳~79歳の男女を対象にしたインターネット調査です。

調査には、一般人3,482人、仏教信者(仏教徒)3,512人が参加しています。

調査を行なった「全日本仏教会」は、主要な59の宗派などが参加する、日本の伝統仏教界の連合組織です

今回は、この調査から「葬儀」についての結果を紹介します。

なお、グラフは調査結果を基に編集部が作成しました。

「直葬」を希望する人が22%もいる

最初に、一般人による「自分が死んだ時の葬儀の形式」に対する回答を見てみましょう。

実に、22%の人が、葬儀をせずに火葬のみで終わらせる「直葬」を希望しているという結果になっています。

5人に1人という割合は、かなり高いものと言えるでしょう。

改めて回答を見ると、一番多い回答は「家族のみの葬儀(家族葬)」で、39%です。

2番目に多いのは「親族のみの葬儀」で、23%ですが、それとほとんど差のない3位に「直葬」が入っています。

「知人、友人などが参列する普通の葬儀」を希望する人は、16%しかいません。

(c)JAPAN BUDDHIST FEDERATION 2017 (c)Daiwa Securities Co.Ltd. 2017

仏教信者でも、12%の人が「直葬」を希望している

では、仏教信者は、自分の葬儀についてどう考えているのでしょう。

さすがに「直葬」を希望する人は少なく「12%」に留まっています。

順位でも、「知人、友人などが参列する普通の葬儀」を下回り4番目になります。

しかし、一般人よりも少ないとはいえ、自分を「仏教信者」として認識している人でも、10人に1人は、葬儀などの儀式を不要と考えているというのは、興味深い結果です。

(c)JAPAN BUDDHIST FEDERATION 2017 (c)Daiwa Securities Co.Ltd. 2017

家族の葬儀では「直葬」を希望する人が少ない

自分の葬儀ではなく、家族などの「近親者」が亡くなったときの葬儀は、どう考えられているのでしょう。

一般人の場合、「直葬」を希望する人は、4番目で「5.2%」に留まっています。

自分の葬儀で直葬を希望する人に比べると、4分の1以下です。

つまり、自分の葬儀は手間の掛からない簡単なもので良いが、家族の葬儀は伝統的な形式にしたいという考えであることが分かります。

仏教信者の場合、近親者の葬儀に直葬を希望する人はさらに少なくなり「2.4%」に留まっています。

(c)JAPAN BUDDHIST FEDERATION 2017 (c)Daiwa Securities Co.Ltd. 2017

宗教的儀式を伴わない直葬

最後に、「直葬」について簡単に紹介しましょう。

「直葬」は、「じきそう」「ちょくそう」などと読まれる、比較的新しい言葉です。

一般的には、「通夜」や「告別式」などの儀式を行なわず、火葬のみとする葬儀です。

ただし、葬儀会社のプランによっては、火葬場内で読経などの儀式を伴う場合もあります。

直葬は、宗教的儀式を評価しない人が増えたことや、費用面の負担が少ないこともあり、増加する傾向にあります。

一方、現役で働いている人や、係累の多い人の場合、関係者や親戚が参列できないという欠点が指摘される場合があります。

[シニアガイド編集部]