女性がだまされやすい「オレオレ詐欺」、男性がだまされやすい「異性との交際あっせん」
詐欺の手口ごとにターゲットが異なる
「詐欺」には、必ずターゲットとする「年齢」や「性別」があります。
つまり、この手口ならば70代以上の女性、この手口ならば50代の男性というように、だますターゲットして想定している年齢と性別があります。
警視庁が発表した資料を基に、「特殊詐欺(とくしゅさぎ)」の手口別に、そのプロフィールを探ってみました。
なお、「特殊詐欺」とは、面識のない不特定の者に対し、電話などを用いて、預貯金口座への振込みなどの方法で、現金等をだまし取る詐欺を指します。
男がだまされやすい手口、女がだまされやすい手口
まず、特殊詐欺の手口別に、特殊詐欺の被害者の性別をグラフ化してみました。
ほとんどの手口は、男女のいずれかをターゲットとしており、男女比が極端に偏っています。
女性被害者が70%を超えるのは「オレオレ詐欺」「還付金等詐欺」で、「金融商品等取引名目」がそれに準じています。
逆に男性被害者が70%を超えるのは「融資保証金詐欺」「ギャンブル必勝情報提供名目」「異性との交際あっせん名目」です。
高齢女性をターゲットにしている「オレオレ詐欺」
極端に女性が多い「オレオレ詐欺」と、極端に男性が多い「異性との交際あっせん名目」について、年齢も含めて見てみましょう。
その前に「オレオレ詐欺」の手口を簡単に紹介しておきましょう。
まず、息子などの親族、息子の会社の上司、警察官、弁護士等を装って、電話をかけてきます。
その電話で、会社での横領、トラブルや交通事故の示談金などを名目にして、現金を預金口座等に振り込ませたり、ゆうパックで送金させるなどの方法によりだまし取ります。
「オレオレ詐欺」の場合、被害者の72%を「70歳以上:女性」が占めています。
次が「70歳以上:男性」で16%ですから、ほぼ70歳以上がターゲットになりやすいことが分かります。
中年男性をターゲットにした「異性との交際あっせん」
次に「異性との交際あっせん名目」について、簡単に手口を紹介します。
まず、雑誌やメール、サイト上で「女性紹介」などと掲載します。
これに申し込んだ人に対して、虚偽の異性の情報を提供したりした後、会員登録料や保証金等の名目で現金を振り込ませたり、異性になりすまして現金を要求したり、サイト上で高額なポイント等を購入させ現金をだまし取ります。
「異性との交際あっせん名目」の場合、「50代:男性」が39%で、次が「40代:男性」で19%です。この2つの年齢層で、被害者の半分以上を占めています。
次に多いのが「60代:男性」ですから、異性との交際あっせん詐欺は、さみしい中年男性がひっかかりやすい手口と言えるでしょう。
自分や家族をターゲットにしている詐欺の手口を知ろう
特殊詐欺の対策の1つは、その手口を知ることです。
あらかじめ、その詐欺の手口を知っていれば、詐欺ではないかという疑問を持つことができます。
自分や家族が、特殊詐欺のターゲットになりやすい年齢や性別であれば、そこをターゲットとする詐欺の手口について勉強しておきましょう。