高齢者の8割以上は、持ち家の一戸建てに住んでいる
国による信頼度の高い調査
60歳以上の方は、どんな家に住んでいるのでしょう。
政府が行なった「高齢者の経済・生活環境に関する調査」の中にデータがありました。
この調査は、全国の60歳以上男女1,976人に対面聴取しており、信頼度の高い方法で行なわています。
なお、老人ホームなどの施設入居者は対象に入っていません。
「一戸建ての持ち家」を持っている人は8割以上
回答者の「83.9%」は、一戸建ての持ち家に住んでいます。
同じ持ち家でも集合住宅は少なく、「3.3%」に留まっています。
賃貸の一戸建ては「3.1%」、賃貸の集合住宅は「8.6%」でした。
東京23区や政令指定都市を指す「大都市」の場合でも、一戸建ての持ち家を持っている人が「77.5%」もあり、予想以上に高い数字となっています。
都市の規模が大きいほど、集合住宅を選ぶ人が多い
住んでいる年の規模別にみると、規模が大きいほど一戸建てが少なく、集合住宅が多くなります。
「大都市」では、集合住宅の持ち家が5%ありますが、「町村」では0%になります。
賃貸でも、大都市と町村では3倍近い差があります。
土地の価格が安い町村では、集合住宅に住むメリットがあまりないのでしょう。
なお、都市の区分は次のようになっています。
- 大都市:東京23区/政令指定都市
- 中都市:人口10万人以上の市
- 小都市:人口10 万人未満の市
- 町村:郡部(町村)
年令が高いほど、持ち家率が高い
男女とも、年令が高くなるにつれて、持ち家の率が高くなります。
60代男性では「84%」ですが、75歳以上男性では「93%」まで上がります。
単身世帯は、持ち家率が低い
世帯の家族構成別にみると、「単身世帯」の持ち家率が低いことが分かります。
男性の場合、単身世帯では「58%」ですが、夫婦のみの世帯では「90%」、子供と同居している世帯では「92%」と大きな差があります。
女性の場合、男性ほどではありませんが、単身世帯の持ち家率は「75%」に留まっており、90%前後の夫婦のみ世帯や、子供と同居している世帯に比べると低くなっています。
ただし、単身世帯の持ち家率の低さを過剰に捉えてはいけません。
持ち家率が低いとはいえ、それでも過半数の単身者は、一戸建ての持ち家に住んでいます。
自分の環境に合わせて老後の生活を考えよう
当たり前のことではありますが、高齢者の住まいは、住んでいる都市の大きさや、家族構成、年令などの環境によって異なります。
一人ひとりの環境が異なるので、老後における課題も個人ごとに違います。
住む場所1つについても、自分の家族構成や年令なども考え合わせて、どこにどう住むのか考えておきましょう。