高齢者の8割以上は、持ち家の一戸建てに住んでいる

[2017/6/15 00:00]

国による信頼度の高い調査

60歳以上の方は、どんな家に住んでいるのでしょう。

政府が行なった「高齢者の経済・生活環境に関する調査」の中にデータがありました。

この調査は、全国の60歳以上男女1,976人に対面聴取しており、信頼度の高い方法で行なわています。

なお、老人ホームなどの施設入居者は対象に入っていません。

「一戸建ての持ち家」を持っている人は8割以上

回答者の「83.9%」は、一戸建ての持ち家に住んでいます。

同じ持ち家でも集合住宅は少なく、「3.3%」に留まっています。

賃貸の一戸建ては「3.1%」、賃貸の集合住宅は「8.6%」でした。

東京23区や政令指定都市を指す「大都市」の場合でも、一戸建ての持ち家を持っている人が「77.5%」もあり、予想以上に高い数字となっています。

出典:資料を基に編集部が作成

都市の規模が大きいほど、集合住宅を選ぶ人が多い

住んでいる年の規模別にみると、規模が大きいほど一戸建てが少なく、集合住宅が多くなります。

「大都市」では、集合住宅の持ち家が5%ありますが、「町村」では0%になります。

賃貸でも、大都市と町村では3倍近い差があります。

土地の価格が安い町村では、集合住宅に住むメリットがあまりないのでしょう。

出典:資料を基に編集部が作成

なお、都市の区分は次のようになっています。

  • 大都市:東京23区/政令指定都市
  • 中都市:人口10万人以上の市
  • 小都市:人口10 万人未満の市
  • 町村:郡部(町村)

年令が高いほど、持ち家率が高い

男女とも、年令が高くなるにつれて、持ち家の率が高くなります。

60代男性では「84%」ですが、75歳以上男性では「93%」まで上がります。

出典:資料を基に編集部が作成

単身世帯は、持ち家率が低い

世帯の家族構成別にみると、「単身世帯」の持ち家率が低いことが分かります。

男性の場合、単身世帯では「58%」ですが、夫婦のみの世帯では「90%」、子供と同居している世帯では「92%」と大きな差があります。

女性の場合、男性ほどではありませんが、単身世帯の持ち家率は「75%」に留まっており、90%前後の夫婦のみ世帯や、子供と同居している世帯に比べると低くなっています。

ただし、単身世帯の持ち家率の低さを過剰に捉えてはいけません。

持ち家率が低いとはいえ、それでも過半数の単身者は、一戸建ての持ち家に住んでいます。

出典:資料を基に編集部が作成

自分の環境に合わせて老後の生活を考えよう

当たり前のことではありますが、高齢者の住まいは、住んでいる都市の大きさや、家族構成、年令などの環境によって異なります。

一人ひとりの環境が異なるので、老後における課題も個人ごとに違います。

住む場所1つについても、自分の家族構成や年令なども考え合わせて、どこにどう住むのか考えておきましょう。

[シニアガイド編集部]