住民が愛着や誇りを強く感じている都市はどこか

[2017/6/17 00:00]
福岡市の夜景

住民の、その都市への気持ちを数値化

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、「市民のプライド・ランキング」を公開しています。

これは、東京都区部と政令指定都市の21地区を対象とし、各都市ごとに男女年齢別に200サンプルのアンケートをおこないました。

その結果を基に、自分が暮らしている都市に対して感じている、愛着や誇りを数値化して、ランキングとしています。

福岡市民は、愛着と誇りが強い

「現在お住まいの都市に愛着や誇りを感じますか」という質問に対して、「福岡市」がいずれも1位でした。

福岡市の住民は、自分の住む都市に対して、強い愛着と誇りを持っていることがわかります。

また、「札幌市」「京都市」「仙台市」が両方のランキングで5位以内に入っています。

これらの都市の住民も、愛着と誇りが強いことが分かります。

なお、「相模原市」は、愛着と誇りの両方が最下位でした。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング

「福岡市」と「札幌市」の住民は、自分の住む都市への自負が強い

「お住いの都市について友人・知人に勧められますか」という内容で、10個の項目に分けておすすめ度合いを聞いています。

10項目のうち、9項目について「福岡市」のおすすめ度が1位でした。

そして、この9項目のすべてで2位は「札幌市」でした。

「買い物・遊びで訪れること」のみ、「札幌市」が1位ですが、2位は「福岡市」です。

つまり、10項目の1位と2位は「福岡市」と「札幌市」で独占しています。

福岡市民と札幌市民は、他の都市に抜きん出て「自分が住んでいる都市は誰にでも勧められる」という強い自信とプライドを持っていることが分かります。

「福岡市」と「札幌市」の自己評価を東京/大阪と比較する

「福岡市」と「札幌市」は、住民の愛着とプライドという点では、双璧です。

さきほどの10項目について、「東京都区部(23区)」と「大阪市」を比較対象としてグラフ化してみました。

各項目の評価が高いと、グラフの形は外に広がり、線の中の面積が広くなります。

出典:資料を基に編集部が作成

赤で示した「福岡市」は、ほとんどの項目でグラフが外側に広がっています。

緑で示した「札幌市」は、福岡市に迫るほど広がっており、1項目だけですが、福岡市の外側に出ています。

一方、青で示した「東京都区部」は全体に住民の評価が低く、内側に寄っています。

大都市に有利と思われる「買い物・遊びで訪れる」「趣味や教養を深める」などの項目でも、福岡市や札幌市に遠く及びません。

さらに、「大阪市」を紺で示しています。大阪市は住民の自己評価が低めで、マイナスの評価が多く、東京都区部よりも、さらに小さな面積となっています。

このように、評価について大きな差が出る理由について、三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、次のように分析しています。


 愛着・誇り・お勧め度合いの質問項目は、自分が暮らしている都市に対する絶対評価として回答いただいたものですが、質問項目に対して無意識に近隣の都市との比較を行なってしまう結果、相対的な評価が反映されていると考えられます。

 福岡市と札幌市については、それぞれ九州と北海道において圧倒的なポジションにあり、ほかの都市の魅力の影響を受けにくいことが、非常に高い評価につながったと考えられます。

 逆に、それ以外のいくつかの都市では、近隣都市を魅力と感じる気持ちが、愛着・誇り・お勧め度合いに対する低い評価に繋がっている可能性があります。

北九州市の住民は、福岡市が一番魅力的と考えている

最後に、自分の住む都市の魅力度について聞いています。

「現在お住まいの都市を含む21都市の中でもっとも魅力的に感じる都市を3つ選んでください」という質問をしています。

ほとんどの都市では1位は「自分が住んでいる都市」でした。

しかし、「相模原市」と「北九州市」のみは、「自分が住んでいる都市」は2位で、それぞれ「横浜市」と「福岡市」が1位でした。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング

また、「熊本市」も、1位は「自分が住んでいる都市」ですが、2位の「福岡市」との差は7%しかありません。

「北九州市」と「熊本市」の例を見ると、九州の他の都市から見ても、「福岡市」が魅力的な存在であることが分かります。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
[シニアガイド編集部]