道路交通法改正から約3カ月で、10万人以上が運転免許証を返納
改正道路交通法が施行
2017年3月12日に改正道路交通法が施行されました。
警察庁は、5月31日までの約3カ月間の状況をまとめて公開しています。
運転免許証の自主返納の急増など、改正道路交通法の施行による影響が大きいことが分かります。
施行後に自主返納が急増
施行から5月末までの、運転免許証の自主返納数は102,990件でした。
たった3カ月間で、10万人以上の人が免許証を返納しています。
2016年の1年間の自主返納数は345,313件でしたから、それを上回る勢いで自主返納が進んでいます。
なお、75歳以上に限っても、81日間の自主返納数は56,488件でした。こちらも、2016年の162,341件を上回るペースになっています。
1万人以上が、「認知症のおそれがある」と判定
改正道路交通法では、運転免許証の更新時に「75歳以上」の場合は、「認知機能検査」が義務付けられており、認知機能が低下しているかどうかが判定されます。
この、“更新時の認知機能検査”を受けた人は、約41万人に上ります。
そのうち、「認知症のおそれがある」とされ、臨時の適性検査か医師の診断が義務付けられている「第一分類」と判定された人は「11,254人」でした。
「第一分類」判定者で、医師の診断によって免許の取り消しを受けた人は「14人」と少ないのですが、医師のアドバイスなどにより、免許証の自主返納を行なった人が「987人」います。
自主返納が進むことも重要
今回の発表をめぐる報道では、「75歳以上のドライバー、認知症の恐れ1万人超」など、第一分類の数に注目した例が多くなっています。
もちろん、それも重要ですが、改正道路交通法自体が話題となって、運転免許証の自主返納が増えたことも見逃せません。自分が運転を続けることを考え直すきっかけになっているのでしょう。
今回の道路交通法改正にあたっては、専門医の不足などの欠点を指摘する声もありますが、最初の3カ月間については、順調な滑り出しと言えるでしょう。